2008年06月10日
来週17日に開幕する「トヨタジュニアゴルフ ワールドカップ2008 Supported by JAL」(中京ゴルフ倶楽部 石野コース)に出場する日本選手団の結団式が6月2日、都内で行われた。
1992年にスタートした同大会は、今年で17回目を迎えるジュニアゴルフ国別対抗戦。出場できるのは18歳以下の男子アマチュア(大学生を除く)で、毎年、60を超える国と地域が参加し、予選を勝ち抜いた12カ国と前回大会の上位3カ国、そしてホスト国の日本を加えた計16カ国によって「世界一」が争われる(4日間72ホール・ストロークプレー。各国上位3選手のスコア合計による対抗戦)。
ジュニアゴルフの“世界最強国決定戦”だけあって、過去の大会では今をときめく一流プレーヤーも数多く出場している。
第3回大会ではヘンリック・ステンソン(スウェーデン)、第5回ではジャスティン・ローズ(イングランド)や、今年4月にマスターズを制したトレバー・イメルマン(南アフリカ)、第7回ではカミロ・ビジェガス(コロンビア)、第11回では昨今のPGAツアーで「タイガー・ウッズの後継」と評されるアンソニー・キム(アメリカ)などが出場。
また、日本勢も、第1回では近藤智弘、第3回では5月に日本人3人目となるPGAツアー制覇を成し遂げた今田竜二、第4回では谷原秀人、その他にも星野英正や宮里聖志、宮里優作などが出場経験を持つ。
「この大会での経験がプロになってからすごく生きている」と、多くのプロたちが異口同音にこの大会の意義を語っていることからも、ジュニアゴルフワールドカップは一流選手への登竜門といえるのではないだろうか。
そんな同大会に今回、日本代表として出場するのが、森本雄(宮城・東北高3年)、大堀裕次郎(大阪学院大高2年)、伊藤慎吾(三重・いなべ総合学園高2年)、徳永智也(兵庫・クラーク記念国際高3年)の4選手。
結団式では、「自分らしくプレーする」(大森)、「チームワーク 優勝」(大堀)、「和をもって勝つ!!」(伊藤)と、各々の選手が自身の目標を書き記した色紙を掲げ、本大会での活躍を誓った。※徳永は欠席
さらに当日は、近藤智弘と石川遼とがゲストとして参加し、代表選手を激励。
「第1回大会に出場した時は、それまでに海外の選手とプレーした経験がなかったのでとにかく緊張した。でもその時の経験が今、海外のトーナメントで戦う時に特にプラスになっています。日の丸を背負って試合に出るというのは滅多にないことなので、世界の舞台を楽しみながら、ぜひ優勝してもらいたいですね」(近藤)
「僕もアマチュアの頃はジュニアワールドアップに出ることが大きな目標の一つでしたが、残念ながら出場できませんでした。だからプロになった今でも、僕にとって憧れの大会であることに変わりはありません。この大会の代表に選ばれることはすごく難しいことなので『自分は日本代表なんだ!』という自信を持って戦って欲しいし、今大会での経験を多くのジュニアに伝えて欲しい。僕も一人のジュニアとして、世界を相手に戦う同世代のみんなを応援します」(石川)
今大会の日本代表選手は、昨夏の全国高校ゴルフ選手権上位者の中から「実力」と「協調性」を重視して選出されという。遼クン世代の“日の丸戦士”が世界の強豪を相手にどんなパフォーマンスを披露してくれるのか――。要注目だ。

近藤、石川から熱いエールを贈られた日本代表選手たち
(上段左から近藤、石川、下段左から森本、大堀、伊藤)
2008年06月03日
先月のゴルフ界のビッグニュースといえば、今田竜二(31)が米男子(PGA)ツアー初優勝を飾ったこと。5月15~18日に行われたAT&Tクラシックでケニー・ペリーとのプレーオフを制し、栄冠を手にした。
タイガー・ウッズ、ジャック・ニクラウス、アーノルド・パーマーなど、各時代の最強プレーヤーを輩出してきた世界最高峰ツアーでの日本人優勝者は、青木功、丸山茂樹に次いで3人目。日本ツアー通算94勝(歴代1位)のジャンボ尾崎や同48勝(歴代3位)の中嶋常幸も未勝利だから、日本のゴルフ界の歴史に残る金字塔といえるだろう。
スゴイことをやってのけた今田だが、どんな経歴を持つ選手かをご存知だろうか。
広島県三原市生まれの今田。8歳の時、父・隆史さんの勧めでゴルフを始め、当時、世界最強と称され、マスターズの優勝経験もあるセベ・バレステロスのスイングを真似ていたという。
小学4年生の頃からは「ゴルフで飯を食うから勉強はしない」が口グセに。ゴルフ漬けの毎日で、「家で勉強する姿を見たことがありませんでした」と隆史さんは当時を振り返る。自分の将来は「プロゴルファーしかない!」と決意を固め、それを具現化させるために日々鍛錬に励んでいたというわけだ。
転機が訪れたのは中学2年生、14歳の時。
「今すぐアメリカに行きたい」。小学時代から毎年、朝早起きしてテレビにかじりつくように観ていた「マスターズ」への出場を夢見るようになった今田は、自らの希望を家族に打ち明けたという。
この告白に両親は「中学を卒業してからでも遅くない」と猛反対。が、今田は「この1年が大事だから」と反対を押し切り、渡米に踏み切った。旅立つ際、成田空港まで見送りに行こうとした家族に対して「来なくていい」と言い放ったというから、退路を断つ思いで海を渡ったことは想像に難くない。
ジュニア時代は、アメリカのジュニアゴルファーたちの登竜門であるAJGA(全米ジュニアゴルフ協会)が主催するビッグトーナメントで優勝するなどの活躍を見せる。同協会の年間最優秀選手やジュニア・オールアメリカンに選ばれたこともあり、「タイガーか、リュウジか」と評されるほどだったという。
その後、ジョージア大学を2年で中退し、1999年にプロ転向。2000年からPGAツアーの2軍(ネイションワイドツアー)に参戦し、優勝1回を含むトップ10入り3回、賞金ランキング32位と、新人としては及第点といえる成績を残した。
このまま順風満帆のゴルフ人生を歩んでいくかに思われた今田だったが、同年のQスクール(PGAツアーの出場権をかけた予選会)の通過に失敗。自身にとって初めての挫折を味わい、以降も挑戦と失敗を繰り返しながら、結局ネイションワイドツアーで5年間を過ごすことになる。
「2軍といってもレベルは高いし、どの選手もとにかくハングリーだから、一打一打の緊張感がハンパじゃなかった。心臓が止まりそうなくらい苦しく厳しかったです。でも、この時代の経験が大きな財産になり、今の自分があるんだと思います」(今田)
苦しい時代も一心不乱にゴルフに取り組み、年を追うごとに力をつけていった今田。2004年にはネイションワイドツアーで賞金ランキング3位(20位以内はPGAツアーに昇格)に食い込み、ついにPGAツアーの出場権を獲得した。
PGAツアー本格参戦となった2005年の賞金ランキングは121位、翌2006年は92位、3年目の2007年は65位と成績は年々向上。「確実にレベルアップしている感じだったので、初優勝までそんなに時間はかからないだろうというのが大方の見方でした」(ゴルフ評論家)
そして、今年2008年5月、AT&Tクラシックで悲願のPGAツアー初制覇を達成する。この優勝で、今年の全米オープン、全英オープン、全米プロ、さらには少年時代からの夢であったマスターズ(来年)への出場権を獲得した。
大志を抱き、旅行バッグを片手に一人で海を渡ったあの日から17年。苦しいこと、不満なこと、泣きたいこと……。数々の試練を乗り越えて“一途な夢”へのチケットを手に入れた日本生まれアメリカ育ちの不撓不屈のプロゴルファー、それが今田竜二なのだ。
2008年05月27日
ゴルフは本来、緑の大自然の中で楽しむスポーツ。しかし最近では、バーチャルゴルフが置かれているゴルフカフェやゴルフバー、ゴルフラウンジなどが都内を中心に続々とオープンしていて、屋内で実際のコースさながらにゴルフが楽しめるようになってきた。
「インドアでもゴルフをエンジョイできる時代」になりつつある中、今年1月下旬には都内に、マンションでゴルフが楽しめる“ゴルフ・マンション”(地上5階・地下1階建て鉄筋コンクリート造)なるものも完成(3月上旬より入居可)している。
マンションを企画し、販売するのはこれまでに花粉症対策マンションや愛犬家向けマンションなど、さまざまなタイプの物件を企画してきたマツヤハウジング。
「ゴルフ・マンションは50代~60代のアクティブシニアの趣味を切り口としたプロジェクトの一環です。そういった世代の方々を中心に、若年層を交えてコミュニティーを形成していただきたいですね」と、同社営業企画部課長の山田邦博氏はマンションのコンセプトを話す。
気になるのは、都内のマンションでどんな風にゴルフが楽しめるかということだが、地下1階に150インチの大型スクリーンで楽しめる「バーチャルゴルフボックス」を設置。そこで本物のクラブで本物のボールを思い切り打つことができるという(居住者のみ利用可)。
このバーチャルゴルフは、スクリーンにめがけてショットを放つと高性能赤外センサーが反応し、一打ごとに飛距離、ヘッドスピード、弾道を測定してくれるという優れモノ(幅3.4m、奥行6m、高さ2.8m)。最大6人まで同時にプレーでき、スコアカードも表示されるから、マンションでプライベートコンペも開催できてしまうのだ。
収録コースは、18ホール×10コース、ショートコース×2コース、アイアン専用コース×1コース。各コースともティ位置の選択が可能なうえ、初級、中級、上級と難易度も選べるから、ビギナーから上級者、あるいはレジャー志向から競技志向まで、全てのゴルファーが自分のレベルに応じて楽しめる。1時間500円の利用料がかかるが、コースや練習場でボールを打つことを考えれば、懐にもやさしいといえるだろう。
また、バーチャルゴルフボックスの隣には、ネットにめがけてボールを打てるスイングボックス(利用無料)も設けられているので、手軽に打撃練習やフォームチェックもできる。
一方、屋上にもゴルフのスペースがあり、こちらはパターゴルフ練習場(利用無料)。多くのプロゴルファーから高い評価を得ている人工芝「プログリーン」を採用していて、「本格的なパッティングを味わえるとご好評いただいています」(前出の山田氏)
練習場の隣には、天然芝と多種類の草花で構成された散歩道があり、そこを歩けば、まるでゴルフ場の緑とふれあっているような感覚を味わえるのだとか。
さらに、各部屋にはキャディバッグ専用の収納スペースを完備。キャディバッグは意外と置き場所に困るものだが、このマンションならそんな悩みも無用というわけだ。

ゴルフマンションではキャディバッグも立派なインテリアだ
ちなみに、同物件のルームタイプは1ROOM(2800万円台)~3LDK(5800万円台)で、アクセスは新大久保駅から徒歩10分、東新宿駅から徒歩12分、高田馬場駅から徒歩13分、今年6月開業予定の東京メトロ副都心線西早稲田駅から徒歩5分。販売戸数は60戸だが、「ほぼ完売状態です。30~40代の女性の購入者が予想以上に多かったので、正直、驚いています。今後は都内を中心にゴルフ・マンションを増やしていきたいですね」(同)
ゴルフカフェ、ゴルフバー、ゴルフラウンジ、そしてゴルフ・マンション。この先、こういった「ゴルフの新しいカタチ」が世の中で普及していけば、ゴルフがより身近で手軽なものになり、これまで以上に老若男女がエンジョイできるスポーツになっていくはずだ。
2008年05月20日
「ゴミを分別する」、「スーパーでの買い物にマイバッグを持参する」、「外食時にマイ箸を使う」、「冷暖房の使用を控える」、「マイカーを使わず公共交通機関を利用する」など、ここ数年、積極的に“エコ活動”に取り組む人が増えつつある。世の中全体がエコに対して関心を持つようになってきており、近頃はテレビや新聞、雑誌、インターネット等でも「エコ」というフレーズを見聞きしない日は一日としてないほどだ。
ご存知のとおり、エコ活動とは、森林破壊、環境汚染、地球温暖化などの進行を防ぎ、ひいては地球環境を良化していくための草の根的活動なのだが、最近ではこういった取り組みが、ゴルフトーナメントの会場でも見られるようになってきた。
4月第1週に開催された新規トーナメントのヨコハマタイヤ PRGRレディスカップでは、「チームマイナス6パーセント」の標語をティフェンスに掲げ、来場者にアピール。
会場では、大会スタッフが生分解性のマニラ麻(地中で微生物などによって分解され、土に還る素材)含有の繊維で作られたブルゾンとキャップを着用したり、ギャラリーに再生紙を使用したレジャーシートや肩掛け式バッグが配布された。
「エコグッズを通じて、来場者の方々に環境への意識を高めていただけたと思います」と話すのは、大会を主催する横浜ゴムのスポーツ事業部長・高岡洋彦氏。今回が初開催だったが、会場に足を運んだ関係者やギャラリーの多くは「PRGRレディス=エコ」といった印象を抱いたのではないだろうか。
また、7月第1週に開催される国内男子メジャー第2戦・UBSに本ゴルフツアー選手権 宍戸ヒルズも、一昨年から「GOLF+ECO はじめの第一歩!」と銘打ったエコ活動を実施している。
これまでには、環境にやさしい可燃性容器を使った飲食物の販売、来場者にリサイクルバッグとマグカップの無料提供、ゴミ分別係員の配備などといった活動が見られたが、今大会ではCO2ゼロ化に一役買うため、「フードマイレージ(食材が運ばれてきた距離)の削減」にも力を注いでいくという。
具体的には、開催地の茨城県で生産された食材を使用した食品や弁当のみを会場で販売するというもの。地元で生産されたものを地元で消費する「地産地消」を実践することで、食材の輸送時間が短くなり、CO2の排出が大幅に削減できるというわけだ。同大会を主催するのは、男子ツアーを統括する日本ゴルフツアー機構(JGTO)。それだけに影響力は大きいと考えられ、今後、他のトーナメントにもエコ活動が浸透していきそうだ。
その他にも、5月第1週に開催された中日クラウンズでは、事務局専用車にハイブリッド車が使用されたほか、大会側が土に還る環境にやさしいティペグを用意。一方、今季から国内メジャーに格上げされた5月第2週のワールドレディスチャンピオンシップ サロンパスカップの会場では、大会オリジナルエコバッグを配布され、多くのギャラリーから好評を博したという。
ゴルフを楽しむフィールドであるゴルフ場は、大自然の一部。つまり、ゴルフに携わる全ての人々が自然の恩恵を受けているといえる。トーナメント会場でのエコ活動は、「自然に恩返しをしていくことが私たちの役目」といった意識を持つ人がゴルフ界で増えてきている証ではないだろうか。
2008年05月13日
北京五輪まで92日に迫った5月8日、聖火リレーがエベレスト(中国名:チョモランマ)山頂に到達した。聖火リレーでは初めてのことだという。この区間の最終ランナーを務め、山頂でトーチを掲げたのは、チベット族の女性、ズレン・ワンモさん。
中国のチベット自治区における人権弾圧に端を発し、行く先々で抗議デモに見舞われている聖火リレーだが、エベレスト登頂によって「民族の融和」が強調され、8月8日の開幕を前に明るい話題を提供できたといえそうだ。
ところで、ゴルフ界でも“エベレストネタ”が話題になったことがある。
昨年5月、登山が趣味という全米ゴルフ協会(USGA)のロバート・ボーン氏がエベレストの登頂に成功し、その際に山頂でアイアンショットを放ったというのが、それだ。
ボーン氏は4番アイアンを使用し、3球をショット。空気抵抗が少ない高地では、ボールがよく飛ぶものだが、世界最高峰の標高8848mの地で放たれた打球は、打った本人や同伴登山者の予想を遥かに上回る驚愕の弾丸ライナーだったという(飛距離は3球とも計測不可能だった)。
先月24日には、この時に使用された4番アイアンが、6月3日にリニューアルオープンするUSGAミュージアムに寄贈されることが発表された。ちなみにボーン氏は、米国テキサス州にあるブルックホローGCのメンバーで、USGA公認のハンディキャップ10.6という腕の持ち主だ。
「エベレストの頂上でゴルフボールを打つ」というのは、ユーモア溢れる奇抜な行動といえるのだが、これに驚くなかれ。過去には、地球を越えた場所でゴルフのショットが行われたこともあるのだ。
1971年には、アポロ14号の船長、アラン・シェパード氏が月面でショット。「どんなクラブよりも得意さ」と豪語する6番アイアンで2球のゴルフボールを打ったという。
月の重力は、地球の約6分の1。そのため、「1000ヤード以上飛ぶはず」という評論家たちの下馬評だったが、宇宙服という重装備で満足にスイングできず、結果は400ヤードくらいだったとか。
「宇宙服は、パッティングすら困難な重たい鎧の一種だ」。帰還後、シェパード氏は、宇宙服でスイングすることの難しさをしみじみと語ったという。
また、「月面ショット」から35年後の一昨年2006年11月には、国際宇宙ステーション(ISS)に滞在中のミハエル・チューリン宇宙飛行士が、地球から高度約350km地点の宇宙空間でゴルフボールを打っている。
チューリン氏は、くしくもシェパード船長と同じ番手の6番アイアンを使用し、宇宙用に開発された超軽量ボール(3g)をショット。米国航空宇宙局(NASA)によれば、ボールは地球を周回した後、大気圏に突入して燃え尽きたとのこと。3日間ほど飛び続けていたというから、まさに“異次元の飛び”である。
ボールを打ったチューリン氏は「すごく遠くに飛んでいった。ボールが見る見るうちに遠ざかり、小さなドットのようだった」と、自身の快打にご満悦の様子だったとか。
エベレストの頂上、月面、宇宙空間――。次は、どんな好奇心旺盛なチャレンジャーが、どんな“とんでもない場所”でショットを放ち、そしてどんな飛びが見られるのだろうか。