2005年11月16日
我がスタイル
米ツアーの04年シーズンが終わった。1年が経つスピードが年々早まって感じられるのは年のせいだと誰かが言っていたが、この私もそう感じているのは、やっぱり年のせいなのだろうか。
それはそうと、今年、米ツアーに参戦していた日本人選手は3人。その3人が3人とも、パットに苦しんだのは不思議な偶然だった。そして、パットに苦しみ始めた途端に3人の成績が落ちていく様子を見るにつけ、ゴルフはまさに「パット・イズ・マネー」だなあと思わずにはいられなかった。
その中で、丸山茂樹は、終盤に自分なりの糸口を見い出し、成績アップ。田中秀道は、パターを何本も何本も替えながら、やはり最後の最後に追い上げを見せ、まず無理だろうと思われていた来季のシードを見事に獲得。今田竜二は、全米オープン後の腰痛による欠場が響き、そこへ来てパットの不調が輪をかけたのだが、なんとかシードを獲得し、やれやれ。パットに泣き続けた3人が、全員、来季も姿を見せてくれることになり、本当に良かった。
さて、パットが不調になると、選手たちはいろんな試行錯誤を繰り返す。パターを変えたり、グリップ方法を変えたり、構えを変えたり、ストロークを変えたり。試行錯誤を繰り返すあまり、自分なりのスタイルを見失い、完全に狂ってしまうという最悪のパターンも、ままある。
だが、自分に最適な独自のスタイルをしっかり固めている選手は、あまりパットの不調に陥らないように思える。その代表例は、クリス・ディマルコのゲーターグリップ。彼は、かつてイップスに苦しんだのだが、その解決策としてゲーターグリップを採用し、今ではパットの名手と呼ばれるようになった。
そして、ディマルコに負けず劣らぬユニークなパッティングスタイルを誇っているのは、ノタ・ビゲイだ。彼は、フックラインは得意だが、スライスラインは大嫌い。それゆえ、どんな場合もフックラインで打つという究極のスタイルを見い出した。それは、スライスラインのとき、左打ちに変えるという荒療治。ビゲイは右利きなのだが、左打ちで構えれば、スライスラインはフックラインへ早代わり。だが、ゴルフバッグの中にパターを2本入れるわけにもいかない。それゆえ彼は、右打ちでも左打ちでもできるよう、両面パターを使っているのだ。

Photo/JJ TANABE
とはいえ、世の中に両面パターなんてものは、さほど沢山は存在しない。ビゲイは、ブルズアイの特注の両面パターを使っていたのだが、今年の終盤戦では見慣れない両面パターを手にしていた。「ちょっと見せて」と頼み、手に取ってみると、なんと、それは「RENEGADE」なるマレット型の両面パター。「こんなの初めて見た!」と言うと、「これなら、ガンガン入るよ」とビゲイ。

Photo/JJ Tanabe
ここまで「我がスタイル」が確立されていれば、滅多なことでは揺るがないだろうと思えてくる。パットに限らず、ゴルフに限らず、「我がスタイル」は強い。他人と異なろうとも、奇妙と呼ばれようとも、「我がスタイル」に自信を持つべきだと、つくづく思った。
舩越園子



