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舩越園子のGOLF JOURNAL

2005年11月22日

性別の壁の今後

英国ゴルフの総本山R&Aが、先日、風変わりな発表をした。この話は、すでにライブドアのサイトに連載している私のコラムでもお伝えしたのだが、もう1度、簡単におさらいすると、こういうことだ。

男子ゴルフの4大メジャーの中で、出場資格に男女の別を明記していたのは、実を言うと、全英オープンだけだった。それ以外の3つ、つまりアメリカで開催されるマスターズ、全米オープン、全米プロは、性別による出場資格の規制を明文化してはいなかった。だからと言って、これまで女性が出場していたかといえば、もちろん出場していない。ベーブ・ザハリアスが男子の試合に挑戦した大昔はさておき、近年では、女性ゴルファーが男子プロの試合に出るなんてことは、誰も考えもしなかったからだ。

しかし、最近になって事情が変わってきた。米LPGAの女王アニカ・ソレンスタムが米PGAツアーに推薦出場したかと思えば、女性クラブプロのスージー・ウエイリーが自力で出場資格を獲得。さらには、ミッシェル・ウィーの登場で、ティーンエイジャーの女子アマチュアが男子プロの試合に出るという前代未聞の珍現象が起こった。そんな昨今をかんがみ、男女の別を出場資格に加えるかどうかが現実的な問題へ発展。伝統と格式を重んじるR&Aさえもが、「性別の壁」を意識し始めたのである。

さて、R&Aが下した決定は、「女子のメジャーで5位タイ以内に入った選手は、男子の全英オープン地区(1次)予選に挑戦できる」というもの。もっとも、この予選を通過したとしても、さらに地方(2次)予選もクリアしなければ、本戦の全英オープンには出られないわけで、本当に女性が出場できる確率はかなり低い。

しかし、確率の高低はさておき、今回のR&Aの決定に猛反対しているのは、99年にカーヌスティで開催された全英オープンで劇的な敗北を喫したフランス人のジャン・バンデベルデだ。「僕はSEXISTじゃないけど、R&Aはもっと他のことにフォーカスすべきじゃないのか?長尺パターのチェックとか、そういう問題がいろいろあるだろう?」と激怒するバンデベルデは、抗議の意味を込めて、来年の全英女子オープンに出ると言い放っている。

バンデベルデ.jpg
近年、全英オープンにラウンドレポーターとして登場したこともあった、バンデベルデ。

レベ.jpg
同じフランス人のトーマス・レベ。02年オープンでは2位。極端に陽気な性格。バッグに日本で「トーマス・レベ」。奇抜な発想は、フランス人の国民性?
Photo/JJ Tanabe

女子が男子の世界に挑戦するのは、肉体的な差を乗り越え、性別の壁を乗り越えるという意義があるのだが、肉体的にまさる男子が女子の世界に挑戦したら、有利になるのは当然だ。だが、逆に、女子より俄然、飛距離が出る男子選手なのだから、優勝しなきゃ格好悪いなんて見方もされるわけで、それはそれでプレッシャーがかかるかもしれない。

ともあれ、オヤジ化した女性が増え、女性化した軟弱男性が増えつつあると囁かれる今日、プロゴルフの世界で性別の壁が崩れかかっているのは確かだ。この「壁」、崩れないよう維持したほうがいいのか、それとも崩してしまったほうがいいのか。思わず傾げた首が、今は元に戻らない状態だ。

舩越園子

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