2005年12月08日
丸山大輔の合格
宮里藍ちゃんが米LPGAのQスクールを2位に12打差の断トツトップで合格した翌日、同じフロリダ州内で行われていた米PGAツアーのQスクールへ取材に行った。男女とも同じ日から始まり、女子は5日間、男子は6日間のため、この日は男子の最終ラウンド(第6ラウンド)だったのである。
行ってみると、日本のメディアは私を含めてたったの5名。藍ちゃん取材の現場には、初日あたりで60名強、最終日には100名近くの日本人メディアがいたのだから、その差はすごい。かつては、男子のQスクールを取材する日本人メディアはいても、女子のQスクールを取材する日本人メディアは本当に少ないものだった。もっとも、小林浩美、福嶋晃子、東尾理子らが挑戦する際は、それなりの人数が集まっていたものだが、いずれにしても、藍ちゃん取材だけは別格。そして、男子のQスクールに日本人選手としてはただ1人、挑戦していた丸山大輔のことを気にかける日本人メディアはほとんどいなかったというわけだ。
肝心の丸山の成績だが、初日から3日間は70-71-74と70台が続き、4日目から6日目までは68-65-68とすべて60台。3日目終了後は60位台まで順位を下げ、トップ30に食い込むのはちょっと難しそうに思えたのだが、5日目の65が功を奏し、最終的には7位タイという立派な成績で来季の出場権を獲得した。



大器晩成型、粘り強いプレーに期待!
Photo/JJ Tanabe
全ラウンド終了後、その丸山に話を聞いた。「(こっちに)来る前までは、まだ迷いがあって、飛行機に乗っているときも、嫌だなあなんて思っていたぐらいで、そういう意味ではノープレッシャーだったのがよかったのかも。でも、練習ラウンドをして回りの選手たちを見ているうちに、この中で自分がどれぐらいやれるか知りたいなという気になり、その思いが日に日に強まりました」という丸山。ゴルフの調子のほうも、最初はコースに戸惑い、「自分で自分に難しく感じさせていた」そうだが、後半3日間は「無理しなくても大丈夫」と思えるようになったという。そんな環境への「慣れ」が彼のスコアにも如実に表れた。
それにしても、同じ州内、車で2時間弱の距離に日本のメディアがわんさかいるというのに、最終日のこの日、大半のメディアは藍ちゃんがLPGAのオリエンテーションを受ける様子を取材していた。丸山が好成績で通過しようとしているのに、たったの5名しか取材に来ないこの現状を、彼自身はどう感じていたのか。聞きにくい質問だが、あえて本人にぶつけてみた。
「いやあ、藍ちゃんは国民的ヒーロー(ヒロインの意)ですからね。おまけに10何打差でトップでしょう?でも、これで男子が誰も通らなかったら格好悪いかなとは思っていました」
やっぱり、この現状、嫌でも意識はしていないのだろう。質問をぶつけたとき、丸山はニヤッと笑った。だが、大勢の日本人メディアから取材されるかどうかは、この際、本人にとっては大問題ではない。むしろ、ひっそりと米ツアーデビューを決め、来季が始まったら大活躍というほうが面白いかもしれない。
とはいえ、米ツアーはそんなに甘くはない。丸山は「英語は全然ダメだし‥‥」と、ちょっぴり尻込みしていたが、フロリダのグリーンを「優しいコーライみたいでした」と言ってのけたあたりは期待できる。技術的レベルは蓋を開けてみないとわからないが、大切なのは度胸であろう。
来季、PGAツアーは、丸山茂樹、田中秀道、今田竜二に丸山大輔が加わり、合計4人になる。藍ちゃん、しのぶちゃんも、そりゃがんばったけれど、男性陣もなかなかがんばっているということを、日本のゴルフファンのみなさんに忘れてほしくないと思う。



