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舩越園子のGOLF JOURNAL

2006年03月01日

あの人は今……

米ツアーのフロリダシリーズ第1戦、フォード選手権の会場に来た。昨年大会に引き続き、今年もタイガー・ウッズやビジェイ・シン、フィル・ミケルソンといった強豪揃いゆえ、南国の日差しとともに会場は熱気に包まれている。日本勢は、丸山茂樹、田中秀道、今田竜二が出場。ルーキーの丸山大輔はストロングフィールドゆえ出場できないが、今日は会場に姿を現し、練習場で球を打っていた。

そんな中、ふと懐かしい顔に出くわした。かつて世界最強の男と呼ばれたニック・ファルドだ。最近はテレビ中継の解説者として活躍していたが、第一線のプレーヤーという立場からはすっかり離れてしまっていたため、練習場で打ち込む姿を目にしたら、なんとなく違和感させ覚えてしまった。

そのファルドのゴルフバッグには、「ファルドデザイン」というロゴマークが光っていた。もしかしたら、本人自らが設計したオリジナルクラブなのだろうか。直接尋ねてみたら、なんとそれは自らゴルフコースをデザインするための会社のロゴだった。ファルドいわく、「今、世界中に私がデザインしたコースは18もある」のだそうだ。で、肝心のクラブは何なのだろうかとバッグを覗き込んでみたら、ドライバーからアイアン、ウエッジ、パターまで、メーカーはさまざま。それでも、打ち出す球の勢いは、強かりし日を彷彿させるだけのものだった。さすがは、かつて世界最強と呼ばれた男だ。

ところで、ファルドのバッグを担ぐキャディといえば、かつてはファニー・サニソンという女性だった。しかし、今週のファルドのキャディはジェフ・クレッグという白人男性。よくよく聞いてみれば、このジェフは、観光地として有名なプーケット在住。あの津波が押し寄せたとき、プーケットにいて津波に遭遇したのだそうで、「津波の後、6日間だけボランティアで救急医療の手伝いをしました」とのこと。プーケットではゴルフインストラクターが本業で、ファルドとは欧州ツアー会場で4年前に知り合い、キャディを務める運びとなったのだそうだ。

それにしても、かつての一流選手は今、どうしているのかと、ふと思うファンもいるだろう。ファルドと同い年で、80年代後半から90年代にかけ、米ツアーを席捲した欧州選手といえば、ベルンハルト・ランガーやせべ・バレステロスがいる。ファルドは解説やゴルフビジネスに精を出し、バレステロスは出口の見えないスランプからいまだに抜け出せずにいる。そう考えると、ずっとアメリカツアーで戦い続けているランガーの息の長さはすごいものだと、あらためて感心させられる。

ともあれ、久しぶりに選手として接したファルドは、かつてのファルドより、ずっとずっとソフトな人当たり。人間、齢を重ね、人生経験を積み、一皮向けるというのは、こういうことを言うのだろう。

ファルドデザイン.jpg
バッグのデザインも、かなりイケてます!
Photo/JJ Tanabe

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