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2006年12月30日

いよいよ、07年

いよいよ、07年が目前まで迫ってきた。アメリカでは、ドタバタとしたニュースが次々に飛び込んでくる。フォード元大統領が死去したと思ったら、マイク・タイソンがドラッグ所持使用で逮捕。そして、タイガー・ウッズの開幕戦欠場。暦の上で、年末だ、年始だ、休暇だと言っても、世の中はめまぐるしく動いているのがよくわかる。

ちょっとばかり、暗いニュースが多く、とりわけ王者の開幕戦欠場は、新しいフェデックスカップのシステムでスタートする米PGAツアーの07年にも暗い影を落とす。だが、米ツアーには、スターがいっぱい。それに、開幕戦がすべてというわけじゃない。とにかく、画期的な試みを開始する米ツアーには、是非とも成功を収めてもらいたい。

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賛否両論のスケジュール大改革を断行したフィンチェム氏。今は成功を祈るのみ。

さて、私自身にとって06年は、いい年だった半面、悪い年でもあった。仕事面は上々。健康面は最悪。アメリカ生活14年目にして初めて経験した病院通いは気分がめいったが、「長い人生、そんなこともあるさ」と人生の先輩方は声をかけてくれた。

そう、悪いことの後には、必ずいいことがある。それは、これまで取材した選手たちの多くが教えてくれたことでもある。

07年が自分にとっても、みなさんにとっても、いい年になってほしいと願いつつ、今年の最後のご挨拶とさせていただきます。今年1年、このブログを読んだり応援したりしてくれたみなさんに、この場を借りてお礼申し上げます。来年も、どうぞよろしくお願いします。それでは、みなさん、良いお年をお迎えください。Smile

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今年、米ツアーで無勝だったエルス。年の瀬に地元南アでようやく勝利。

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アダム・スコットも、最終戦にして今季初勝利を挙げた。

PHOTO・JJ TANABE (みなさま、良いお年をお迎えください。)

最新掲載記事(朝日新聞)

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http://www.asahi.com/sports/column/TKY200612280166.html

2006年12月23日

タイガー君、今年は、いい年?

今年、最愛の父アールを亡くしたタイガー・ウッズは、いつだったか、こんな言葉を口にした。「OFF(試合会場以外の場)での出来事ばかりが取り沙汰されたのは、僕にとって、いい年ではなかったということ」。

OFFの話題とは、父親の死や妻エリンの偽ヌード写真掲載といったこと。タイガー自身のツアーにおける活躍が話題になるなら自分にとって「いい年」だが、周辺のことがやたらと話題になるのは、自身の活躍の度合いがちょっとばかり少なかったことを意味するから「悪い年」という意味だ。

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フォード選手権最終ラウンドの後、エリンとキャディのスティーブはハンバーガーをガブリ。

しかし……今季終了後のタイガーは、OFFの話題を自らどんどん作っている。その1つは、ドバイに建設することが決まったタイガー・ウッズ設計のゴルフコース。ドバイには、すでにアーニー・エルスやトーマス・ビヨーン、コリン・モンゴメリー、イアン・ベイカーフィンチの設計コースがあるが、王者タイガーのコースとなれば、話題性も集客効果もまるで別格となることは明らか。それだけにドバイ側の協力体制や受け入れ体制は、まさに国を挙げてのプロジェクトと化しており、全長7700ヤード、6万スクエアフィートのクラブハウス、ゴルフアカデミー、合計400室の宿泊施設という壮大な豪華コース建設が計画されている。建設は07年終盤からスタートし、完成は09年終盤とされているが、その間、タイガーが足しげくドバイに通うことを考えると、これからもタイガーのOFFの話題は尽きそうもない。

さらなるOFFの話題は、やっぱりエリンの偽ヌード写真の話。このたびエリンは、写真を掲載したアイルランドの雑誌社を訴えたそうで、一方、雑誌社のほうは、写真掲載号の売り上げのうちの一定割合をタイガーの指定する先へ寄付するオファーを出し、訴訟を避けようとしている。

しかし、このオフシーズンのテレビマッチでも稼ぎまくったタイガーである。そんな「ハシタ金」なんて要らないと言うに決まっている。ともあれ、OFFネタが尽きないタイガーにとって、今年は果たして「いい年」だったのか、それとも「悪い年」だったのか。この答えは、本人にしかわからない。

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成績を見れば大活躍だったんだが、、。
Photo・JJ Tanabe

2006年12月22日

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2006年12月21日

ウィーの夢

日本滞在を終え、ロス乗り継ぎでNYへ戻る途上、機内の新聞でミッシェル・ウィーのスタンフォード大学進学が決まったことを知った。昨年の秋にプロ転向したウィーは、ひょっとしたら大学には進学せず、ハイスクール卒業後はそのままプロゴルフ業に専念するかもしれないと見られていたが、ついに大学進学を決意したようだ。

スタンフォード大学への進学はウィーが以前から夢見ていたこと。ゴルフバッグにスタンフォード大学のキャラクターグッズをぶらさげるほどスタンフォードに憧れていたのだから、今回の進学決定は彼女にとって、とってもうれしいことに違いない。

だが、ちょっと複雑な部分もある。元々、ウィーはスタンフォード大学へ進学して男子ゴルフ部に入りたいと思っていたのだ。トム・ワトソンやタイガー・ウッズ、ノタ・ビゲイらが所属した同大学の男子ゴルフ部は、それだけでウィーの心をドキドキさせる存在。そこに入って、NCAAのカレッジゴルフで活躍することは彼女の憧れだったのである。

しかし、同大学のゴルフ部コーチに以前、インタビューしたとき、彼女が進学してきたとしても、男子ゴルフ部に受け入れることはできないと断言していた。理由は、もちろんウィーが女性だからということだった。
そんなコーチの発言は、当然、ウィーの耳にも入っていたはず。

で、結局、高校生のうちにプロ転向したわけだから、来年、大学に進学しても、アマチュア資格をすでに失っているウィーはカレッジゴルフに参加できないから、男子ゴルフ部を目指す理由もなくなっている。どうせ男子ゴルフ部に入れないのなら、その前にプロ転向してしまっても同じことだし、でもスタンフォードには行きたいし……ということで、大学進学前にプロ転向したとも考えられる。

いずれにしても、男子プロの試合に挑戦する夢、プロゴルファーになる夢、スタンフォード大学に進学する夢、これらすべてを実現しているウィーの歩みは見上げたものだ。普通なら、「そんなことは無理」と諦めてしまいそうなことを、世間の批判をものともせず実現していく根性は脱帽ものだ。

ウィーの挑戦には賛否両論があり、今季終盤の不調は否定的な意見を膨らませつつあるが、ちょうどそんなタイミングでスタンフォード大学進学が決まったことは、強い逆風を少しでも和らげる好材料。がんばれ、ウィーちゃんと言ってあげたい。

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スタンフォード大学のマスコットをバッグにつけて、熱烈アピール!?

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Photo/JJ Tanabe

2006年12月16日

オフの過ごし方

ただいま私は日本でしばしのオフを過ごしている。とはいえ、実家で両親と過ごしたのは先週の4日間足らず。その後はホテル滞在しており、この1年、お世話になった仕事先の新聞社や雑誌社、ネット関係の担当者の方々とお会いし、お茶やお食事、宴会にカラオケという状態を続けている。1日に多いときは4社ぐらいの方々と次々にお会いしているのだが、まあ、1年も顔を合わせていないものだから、みなさん歓待してくれて、私にとってはとってもありがたく楽しいひと時だ。普段、NYで過ごしているときも全米中の取材先でも、こんなにたくさんの日本の方々と楽しく過ごせる時間は皆無なので、年に一度のこの行事は私にとって最高のオフだ。こういう時間を持つことで、よしまた1年がんばろうという気持ちになる。

プロゴルファーにとっても、おそらく同じことが言えるのだろう。米ツアー選手たちのオフは長い人で2ヶ月、テレビマッチやスポンサー行事で忙しい人は1ヶ月足らずになってしまうものだが、たとえ1週間でも2週間でも、ツアー期間中には会えない人と会い、ツアー期間中では持てないような時間を持つことで、彼らも心の洗濯ができるに違いない。

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今年は特に強い注目を浴び続けたタイガー。少々、お疲れ!?

タイガー・ウッズは「07年に向けて充電が必要」という理由で最終戦を欠場したが、その直後から中国、日本と渡り、アメリカに戻ってからもターゲットワールドチャレンジに出場するというスケジュールゆえ、オフと言ってもクラブを握り続けている。だが、タイガーはクリスマスあたりからは本当にクラブを握らない日々を過ごす。妻のエリンや母クルチダとのんびり過ごし、好きな映画を見たり、ショッピングをしたり、自宅でぼーっとしていたり。そういう時間がなければ、来季へのモチベーションは上がらないのだろう。

ミケルソンは、タイガーや他選手たちよりずっと早くから独自のオフ体制に入り、間違いなく愛するファミリーたちとの時間を楽しんでいるはず。家族第一主義のミケルソンは、このオフ期間中は招待試合への出場もスポンサー関連の仕事もすべて断り、本当の意味でゴルフから完全に離れた日々を送っている。そんなミケルソンの長いオフの過ごし方が、他選手たちから見れば「フィルはすでに半分引退しているようなもの」という陰口にもつながっているが、誰から何を言われようと、要は試合で結果を出せばいい。今年のミケルソンは、マスターズを制したものの全米オープンで最後に自滅するという憂き目にあったが、このオフで心の傷を癒し、来季はきっと強いミケルソンになって戻ってくるだろう。

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大勢のファンの前で頭を抱える、なんてこと、最初で最後にしたい(全米オープン最終日)
Photo・JJTanabe

タイガーやミケルソンといったビッグスター以外の大半の選手たちは、スポンサー絡み、メディア絡みの仕事もオフはさほどないから、好きなことができる時間はたっぷりある。その間、タイガーやミケルソンのようにクラブをまったく握らず、ゴルフから離れることで英気を養う選手もいれば、このときこそと練習やトレーニングに取り組み、来季に向けて早々に準備を始める選手もいる。あるいは、一旦、2週間ぐらいゴルフから離れたあと、12月下旬ぐらいからウォーミングアップを始める選手もいる。以前、フロリダに住んでいたときは、12月の暇な日にゴルフ場へ行くと、近郊に住むプロたちによく出くわした。そういうときの選手は、試合会場で見るのとはまるで違う普段着っぽい井出たちなので、よくよく見ないと誰だかわからない。まあ、球を打つ姿を見れば、ああ、あの人だとわかることもあるのだが……。

日本人選手は、最終戦終了後、丸山茂樹も丸山大輔も帰国し、そのまま日本でクリスマスやお正月を迎えようとしている。今田竜二だけは、一旦帰国後、11月下旬にはフロリダの自宅に戻り、クリスマスやお正月はタンパで迎える。今田にとっては、アメリカで過ごすオフが一番落ち着くのだろう。

「オフ」は「オフシーズン」「オフ・ザ・コース」の意味だが、「オフ・ゴルフ」にしたほうがいい人、「オン・ゴルフ」にしたほうがいい人、いろいろだ。いずれにしても、ツアー期間中はできないことで今、自分が一番やりたいことをやるのが、オフの最高の過ごし方なのだと思う。

最新掲載記事(週刊ダイヤモンド別冊DG)

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2006年12月14日

最新掲載記事(朝日新聞)

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http://www.asahi.com/sports/column/TKY200612140211.html

2006年12月12日

温度感覚

日本とアメリカの間を往復する国際線の飛行機に乗ると、そのたびに感じることがある。それは欧米人と日本人あるいはアジア人との温度感覚の違いだ。機内は離陸する直前から直後にかけて、妙に冷えるのが常で、私などは毛布にくるまっていないと寒くてたまらない。だが、周囲を見渡すと、欧米人は半そでシャツ姿などでも平気な顔をしている。どうしてだろうと、ずっと思っていたのだが、いつだったか隣合わせたアメリカ人が、「アジア人は皮膚で感じる温度感覚が違うらしいね。アジアの人は気温に敏感でしょ?」と言っていた。

その言葉は、ゴルフの試合会場で見かける選手たちの服装の違いにもそのまま当てはまる。たとえば、この写真。今年のツアー選手権のひとこまだが、オーストラリア人のスチュワート・アップルビーや南アのレティーフ・グーセンらは、ご覧の通り、半そで姿。しかし、この週はそれはそれは寒く感じられ、長袖シャツの上にセーターを着て、さらに上着を着なければ耐えられなかった。

丸山茂樹が全英オープンで優勝争いを演じたときも、丸山が凍える手をハーハーしていたのに、アーニー・エルスは半そで姿で、「あいつらは化け物だよ。なんで寒くないの?」と丸山がとにかく首を傾げ続けていたことを思い出す。

温度感覚、皮膚感覚の違いは、一体何に起因するのだろうか?詳しいことは、その方面の専門家ではないのでわからないけれど、気温、特に寒さに鈍感であることは、自然と戦うゴルフにおいては、かなり有利。何に対しても鈍感より敏感のほうが良いような気がするが、ゴルフにおける温度感覚だけは鈍感なほうが良さそうだ。

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アメリカのギャラリーもじっと観戦していると震えるほど寒い日だった。

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R・グーセンとS・アップルビーは、寒さを意に介さず、熱いプレーを展開した。('06年11月ツアー選手権)
Photo・JJ Tanabe

2006年12月08日

お寿司に思う

昨日から1年ぶりに日本に戻っている。今日は両親とお寿司を食べた。最近はアメリカ中の大半の都市でお寿司を食べることができるようになったが、やっぱり日本で食べるお寿司は、一味違っておいしい。

お寿司を食べながら、米ツアー選手にもお寿司好きが結構いるなあと、相変わらず頭が仕事から離れられない私は、ふとそんなことを思い出していた。

フロリダ州オーランドに住んでいたとき、市内に正真正銘の日本人経営の寿司レストランは数えるほどしかなかったが、そのうちの1軒はマーク・オメーラがひいきにしていた店で、もう1軒はタイガーもときどき出かけていた店だったことも思いし出た。

現在の住まいであるNYには、オーランドとは比にならないぐらいたくさんの寿司レストランがあるが、今のところ、その中でプロゴルファー御用達だと聞いている店はない。だが、NY好きのプロゴルファーは非常に多いので、NY近郊の大会の際、そのうちのどこかに誰かが行ったであろうことは想像に難くない。

そういえば、つい最近、名前を度忘れしてしまったのだが、ある選手の一問一答のようなインタビュー記事がアメリカのゴルフ雑誌に載っていた。その中で、こんなやり取りがあった。好きな食べ物は?「ジャパニーズフード」たとえば?「Sushi」今までにウニに挑戦したことはある?「ある。この世の中で最悪の気持ち悪さだった」

かつて欧米人の多くは、お寿司は好きだが生魚は気持ち悪いと言って、カリフォルニアロールのような欧米的アレンジの巻き寿司ばかりを食べていた。だが、近年は、堂々とカウンターにすわり、「トロ」「ハマチ」なんて日本語で注文する欧米人も増えてきた。だが、それでもウニだけは、どうしても見た目からして気持ち悪いらしい。

今日、私がいただいたお寿司の中で一番おいしかったのは、もちろんウニ。これがおいしいと感じられる日本人で良かったなとほくそ笑んだ。

*帰国中につき、今回だけ写真がなくてすみません。

2006年12月06日

あの人が今……

プロゴルファーのキャリアは何てはかないのだろうと、つくづく思う出来事がある。米PGAツアー選手のマット・ゴーグルをご存知だろうか?ネイションワイドツアーを経て、PGAツアーにたどり着き、なぜかAT&Tぺブルビーチプロアマと相性が妙に良かった選手だ。2000年の大会では、最終日を首位で迎えながら、タイガー・ウッズに逆転勝利され、涙を飲んだものの、02年の大会では見事優勝。その直後、ニッサンオープン会場のリビエラで彼のインタビューを行なったことを今でもよく覚えている。

リビエラには、練習グリーンから18番グリーンへつながる勾配の急な階段があり、その途中の踊り場のようになったスペースで、ゴーグルと立ち話状態でインタビューをしていた。すると、通りかかったネイションワイドツアー時代の仲間のプロたちが、「おいおい、お前もインターナショナルなスターになったんだなあ」などと、冷やかし半分に声をかけていった。ゴーグルは「Shut Up!」と言いながらも、悪い気はしないぜという表情だった。

そんな時代もあったというのに、ゴーグルは05年から突然成績が下降。5年間守り続けていた賞金ランク125位を05年に初めて下回り、今年は214位まで後退。そして彼は来年のAT&Tぺブルビーチプロアマを最後に引退すると発表したのである。

まだ35歳。もしかしたら「もう35歳」なのだろうか。いずれにしても、かつては大きな注目を集めた選手が、わずか数年のうちに引退してしまうという事実は、勝負の世界ゆえ仕方ないこととはいえ、やっぱり物悲しい。

しかし、来年のぺブルビーチで再び彼が優勝したら、おそらく引退は取りやめになり、もう1度、ツアー生活に挑戦する気になるだろう。だから、来年の大会が彼にとって最後のチャンス。そううまくコトが運ぶとは思えないが、そういう奇跡のようなストーリーが起こらないとは限らない。ウソのような本当の話が、どうか起こってほしいと願うばかりだ。

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2002年週刊GD掲載のマット・ゴーグルの記事
Photo・JJ Tanabe

2006年12月02日

Qスクール or ネイションワイド

今、米PGAツアーのQスクール・ファイナルステージが行なわれている。日本からの参加は細川和彦と小山内護の2人だが、細川は苦戦中、小山内はすでに棄権。どうやら来年のPGAツアーは、丸山茂樹、丸山大輔、今田竜二の3人だけになりそうな気配だ。

ところで、このQスクールの合格者数は、徐々に減少傾向にある。ちょっと前までトップ35に米ツアーカードが与えられていたのだが、それが30になり、07年のQスクールからはさらに減ってトップ25に限定されると発表された。逆にネイションワイドツアーからの米ツアー移行人数はというと、以前は15人だったのが、20人になり、来年からは25人へ増やされる。つまり、二軍のネイションワイドツアーで腕を磨き、そこから米ツアーへ昇格するほうが、近道になりそうだということ。

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ネイションワイドツアー出身のカミロ・ビジェガス

なぜ、このような決定がなされたのか。米PGAツアーによれば、「両方からの出身者の成績を分析した末の決定」だという。だが、今年の最終賞金ランクを見ると、トップ50になったのはネイションワイドツアー出身者が3人、Qスクール出身者が2人で、たった1名分しか差はない。トップ100を見ると、ネイションワイドツアー出身者もQスクール出身者も8人で同数。それなのに、なぜネイションワイドツアーのほうが成績が良いと判断されたのか。まるでわからないのである。

ネイションワイドツアーはPGAツアーの下で運営されているため、その収益はPGAツアーの収益にもなる。ネイションワイドからPGAツアーへという道を確実なものとすれば、華のPGAツアーを夢見る若者たちは、何がなんでもネイションワイドへ出ようとする。そうなれば、もちろんPGAツアー全体としての活性化が図れるわけで、そりゃまあ組織立った興隆プランを練って優先化するのはビジネスとしては妥当な選択なのだろう。

だが、Qスクールというものは昔から、いわゆるドリーム・カム・トゥルーの道として存在し、こういうものがあるからこそ、ネイションワイドやミニツアーに経済的理由等々で常時出られらないゴルファーが、一発勝負にかけるチャンスがあった。Qスクールがあるからこそ、型破りな選手が登場してきた。今年、Qスクール出身者で活躍した顔ぶれを見ても、飛ばしのブレット・ウエタリックやJ・Bホームズなどダイナミックな選手がちゃんとそこにいる。丸山大輔もQスクール出身。日本や他の海外ツアーに出ている選手などは、一旦、ネイションワイドツアーに1年、2年と出て、それからPGAツアーへという道は、いろんな意味で厳しいわけで、今後、Qスクール合格者枠がもっと減らされてしまったら、丸山のような選手のPGAツアーへの登場は、極端に減ってしまうだろう。

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Qスクール出身、丸山大輔
Photo/JJ Tanabe

ビジネスはビジネス。それは理解できる。だが、アメリカはチャンスの国。オープンな国。そのアメリカツアーが、ビジネスを優先するあまり、せっかく広げていた門戸をどんどん狭めてしまったら、いくら賞金が高額化しても、いくらフェデックスカップなんてものを新設しても、その魅力は低下していくだろう。

アメリカはアメリカらしくあってこそ、世界の隅々までその魅力が行き渡るのではないのだろうか。そう思っているのは私だけ?今回の決定にがっかりしているのは私だけ?いやいや、そんなことはない。米PGAツアーに、再検討をリクエストしてみようかと思う。この決定への反対意見が集められれば、それをPGAツアーに提示することはできる。メディアとして、そういうことをやってみたいし、やるべきだと、今、つくづく感じている。

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