2007年02月11日
スーパースターの証
最近、アメリカのゴルフの現象について語るというありがたいお仕事を日本の某週刊誌から頂いている。担当記者の方はゴルフ歴がさほど長くはないそうだが、実に熱心で、毎回、きっちり調査した上でメールや電話でコンタクトしてくる。そんな姿勢は、さすがプロ。いつも感心させられてしまう。
ところで、先日、その担当記者とタイガーの出場7試合連続優勝について話をしていたときのこと。米ツアーの次なる出場試合はどれになりそうですかと尋ねられ、例年ならニッサンオープンだと答えた。だが、ニッサンオープンはタイガーの数少ない「未勝利試合」だし、今年はツアースケジュールやシステムが変更されたこともあるから、今年はどうでしょうかねえと付け加えた。すると、担当記者はすかさず、「連勝記録を途絶えさせないためには、タイガーはニッサンオープンを避けるんでしょうか?」。
答えに、ちょっと窮してしまった。というのも、2つの考えが交錯してしまったからだ。
タイガーは常日頃、「記録というものはキミたちメディアが勝手に作り出して騒ぐもので、僕は記録なんてものは、あんまり気にしていない。優勝すれば、記録や数字はついてくるものだから」と言っているため、連勝記録更新のために不得意な試合を避けるなんて、あざとい真似を王者がするだろうかという考えがまず頭に浮かんだ。

しかし、次の瞬間、タイガーが日ごろ、なんだかんだと格好いいことを言っていても、やっぱりこの連勝記録は、他の記録とは異なる意義深いものだろうし、この記録においてただ一人タイガーの上を行くバイロン・ネルソンは、すでに他界している。つまり、タイガーにとって、この記録を「11」に伸ばし、「12」に伸ばすことは、歴史に残るものすごい記録を達成するということになる。となれば、わざわざ記録が途絶えそうな試合に出るなんてバカな真似はしないだろうな、とも思ったわけだ。
どっちに転ぶだろうか……興味津々で時期を待っていたら、ついに発表された答えは「欠場」。うーん、そう来たか。ま、それはそれでいい。
だが、次なる難関は翌週のマッチプレーだ。タイガーはマッチプレーを得意としているから優勝の可能性は高いといえば高い。だが、マッチプレーほど水ものはない。でも、これで負けたら、米メディアは「それでもストロークプレーにおける連勝記録は、まだ生きている」なんて言うのかもしれない。
ともあれ、タイガーのニッサンオープン欠場は、なるほどと思う反面、ちょっぴり小ざかしくて残念でもある。けれど、タイガーも人間。やっぱり記録は気になるし、実際、記録達成によって得る栄誉やそれに付随する彼の商品価値のアップ度を考えると、それも仕方がないだろう。
それにしても、「欠場」がニュースになるのは、スーパースターの証。となると、タイガー欠場とほぼ同時期に報道されえたミッシェル・ウィーの手首故障による最低4週間の休養も、彼女がスーパースターであることの証。大注目の大物は、試合に出ても休んでも、やっぱりスーパースターなのだ。

今回は、パス!!
Photo/JJ Tanabe



