2007年05月22日
今田竜二のヒレカツむなしく……
今田竜二のプレーオフ惜敗は本当に残念だった。ジュニア時代から今田をウォッチしてきた私としては、昨日の優勝争いを眺めながら、ほとんど母親のような気持ちになってしまった。ジュニアの大会を制したときの今田、ジョージア大学時代の今田、ネイションワイドツアーで苦節5年を送ってきた今田、やっとのことでPGAツアー出場資格を得た今田……優勝争いを繰り広げる今田をロープの内側で応援しながら、頭の中にいろんな今田の姿が、それこそ走馬灯のように蘇ってきた

そんな今田を「妻」の立場から眺めていたのは、香苗夫人。「メディアの人たちに駆けつけてもらって勝てなかったから申し訳なくて……」と妙なことに気を回す香苗夫人の表情には、いつになく緊張が漂っていた。最終日の前夜、今田自身も「勝てなかったら、急遽来てくれるメディアの人たちの飛行機代ぐらい払わなくちゃいけないよね……」なんてことを口走っていたそうで、優勝そのものより、そんなことを会話していたこの夫婦、なんともかわいいではないか。
そう、その最終日の前夜。「竜二くん、緊張してたみたい?」と尋ねると、香苗夫人は「いや~、緊張してたんでしょうけど、そうでもないかな……よく寝てたし。でも、いつもよりイビキは少なかった」。ん?イビキが少なかったことは、いつもより緊張してという意味なのか、緊張してなかったという意味なのか、医学的な見解はわからないが、いつもとちょっとだけ違っていたのは、前夜のディナーのメニューだ。「昨日の夜は、ヒレカツなんか食べてました」。
それは、もちろん「勝つ=カツ、だよね?」「はい、そうだと思うんですけど」。

(プレーオフ前にはバナナで体力補給)
今田がPGAツアーで勝ちたいと願うその気持ちは、人々の想像以上に強いはずだ。華やかなジュニア時代、アマチュア時代。リュウジの名は全米に轟いていた。AJGA(米ジュニアゴルフ協会)のツアーでは、タイガーかリュウジか、というぐらいの勢いだった。だが、そんな天才ジュニアにも低迷期があった。一時はアメリカで戦うこと、プロゴルファーとして戦うことを諦めようかと思うほど低迷したこともあった。そんな苦労を経てたどり着いたPGAツアー、そして初めての優勝争いは、今田にとって万感あまりある状況だったのだ。
だからこそ、「ヒレカツ」。その「カツ」効果は一歩及ばなかったけれど、今度優勝争いを迎える前夜は、是非ともヒレカツを2枚、3枚食べてほしい。そうすれば、「カツ」効果も倍増!?……なんてことも、もしかしたら怒りうるかもしれない。ともあれ、惜敗したけどがんばった竜二君、香苗ちゃん、お疲れ様でした。

(本当によくやった。チャンスはまた、必ずやってくる!)
Photo/JJ Tanabe![]()



