2007年12月28日
思い返せば、あれは入院した日のことだった。たくさんのメールが入ってきて、「フナコが登場しているよ。しかも、すごい変なキャラクター」。何のこと?聞けば、ビッグコミックの連載ゴルフ漫画「黄金のラフ」に、
舩越園子ならぬ「園越ふなこ」という女性ライターが登場したとのこと。慌ててビッグコミックを買ってきてもらい、ページを開いて、ぎょっとした。何だ、これ!!!!
顔が似ていない。私は人前でメガネはかけない。たこやきの絵柄がついたTシャツなんて趣味じゃない。関西弁はしゃべれない。これだけ私と異なるのに、髪形だけが微妙に似ていて、漫画の中に描かれた名刺には「FUNAKO SONOKOSHI」。どうせなら、すべてを異なるものにしてくれれば、私じゃないと思えるのだが、どこかだけ似ていて、どこかは違う。これじゃ、「園越ふなこ」キャラクターが私とそっくりだと勘違いする人も出るだろう……えー、ひどすぎる!

(登場する人物はすべてフィクションです=JJ)
これには、いろんな人のいろんな意見がある。「まあまあ、そんなに怒らなくても。だって、これは舩越さんじゃなくて、園越ふなこっていう別人なんだから」「あくまで漫画の世界なんだから、面と向かって怒るのは大人げないよ」「うーん、これは失礼すぎるよね。抗議したら?」
確かに、そうかもしれないが、やっぱり、あの絵は本人にとっては大ショックだ。だが、こんなユニークな意見もあった。「あのキャラクターはそのままでもいいじゃない。その代わり、アメリカゴルフ界のビッグスターとロマンスに陥るみたいなストーリー展開を要求してみたら?」
これは、面白い!原作者のなかいま強先生、小学館編集部の方々。お願いします。園越ふなこのキャラクター、いまさら顔姿を変えるわけにはいかないのでしょうから、せめて夢のあるストーリー展開にしてください!
しかし、まあ、この絵柄が登場したことで、入院中、主治医の先生も思わず大笑い。私の周囲で「話題」になったのだから、この際、目くじらを立てることもない。
話題と言えば、日本滞在中の現在も、来季へ向けて、いろんな話題が飛び込んでくる。日本ツアーは男女とも来年は史上初の海外試合開催が決定。ゴルフ大国である日本で、海外での試合開催が「史上初」だと騒いでいるあたりは、正直、首を傾げるところだが、もちろん前進には違いない。ツアーという機構そのものが少しずつ国際化していけば、そのツアーメンバーである日本人選手たちも真の国際化へと進めるはず。
そういう意味で、08年は「日本人の国際化」が一つのテーマになりそうな気配……なんてことを考えながら、間もなく07年が終わろうとしている。今年1年、いろんなことがあったけれど、08年が誰にとっても明るく楽しい年になってくれたらいい。
みなさん、お世話になりました。来年も、どうぞよろしくお願いします。
良いお年をお迎えください。

(C=ビックコミック/小学館)
写真・舩越園子
2007年12月21日
みなさん、ただいま~!一昨日、退院しました。ご心配かけて、本当にすみませんでした。手術も無事に終わり、翌朝には、とっとと歩けるほど猛スピードで回復。1週間ほどの入院生活中、お見舞いに来てくれた方々からは「病気になる前より今のほうが元気そう」などと言われ、うーん、やっぱりこれは神様がくれた「必要な休養期間」だったのだと確信してしまいました。
自分の身体、自分の命が、これからどうなってしまうのだろうかという不安は、NYで最初に検査結果を聞いたときから常につきまとって消えず、不安で不安でたまらなかったのですが、いざ入院し、手術を受け、回復期間を病院で過ごした1週間は、あんなに広がっていた不安もすっかり消え、むしろ人生勉強になったなと、今は感じています。

まず痛感したこと。私は普段、孤独を感じることも多かったのですが、実はものすごく「人」に恵まれていたのだということを身をもって感じました。幸いにも私の高校時代の同級生が大学病院で医師をしており、今回は彼の同期の医師が私の主治医・執刀医になってくれました。そして、私がアメリカ暮らしであることやアメリカが仕事の場であること等々に多大なる配慮をいただき、看護師さんたちも私の不安を拭うために、あれこれ気を配ってくれました。
手術をめぐっては、それなりに大変なこともあり、泣いたりわめいたり、まるで取材するかのように先生にしつこい質問攻めをしたり、いろいろあったのですが、一番うれしかったのは、手術室で麻酔が効くのを待っている最も不安な状況下、主治医の先生が手を握っていてくれたこと。あの温もりが、どれほど心を落ち着けてくれたことか……。
そして、先生の手の温もりを感じながら、過去の取材の際、勝利をつかんだ数々の選手と交わした握手、勝利を逃したけれど晴れ晴れとした表情だった丸山茂樹選手との握手、帰国前に「手術、がんばってください」と手を差し出してくれた今田竜二選手との握手、いろんな選手たちとの握手を思い出しました。
握手は、その場で自然に行なう一瞬の行為。けれど、手と手を交わす温もりには、さまざまな思いが込められており、その思いが温かさとなって伝わり、冷たい心も温めてくれる。そんなことを感じながら、いつしか気が遠くなり……そして、手術が終わったというわけです。
看護師さんたちの笑顔、手術直後の夜通しのケア、回復し始めた私に「すごい、すごい!」と、ちょいとオーバーなぐらい激励してくれた優しさ。
仕事の内容は違っても、プロフェッショナルとは、こういうものだと思いました。専門知識や専門技術は、その仕事においてはあって当然のもの。大切なのは、接する相手の気持ちや立場をどこまで考えることができるか。それは、私が取材において選手や関係者と接するときにも、そっくりそのまま当てはまること。そして、「選手の心情」は、私がこれまで一番大切に考えてきた取材上の第一優先項目。今までやってきたことは間違っていなかったんだと思いつつ、これからも、そういう取材をして、そういう原稿を書きたいと、そう思いました。
もうしばらく日本滞在が必要ですが、焦らずきっちり回復してからアメリカ取材に復帰したいと思います。みなさんからのたくさんの応援の言葉、本当にうれしかったです。大勢の方々が私の原稿を楽しみに待っていてくれるんだと思うからこそ、早く治して回復したいという気持ちになれるんだと思います。私自身、一生懸命がんばっていきますので、どうぞ、みなさん、これからもお付き合いくださいね。
大勢のみなさん、ホントにホントに、ありがとうございます。
舩越園子

(元気になりました)
Photo/JJ タナベ
2007年12月11日
今回は、私から、みなさんへのご挨拶です。
たまたまNYで受けた検査で異常が発見された私は、その後、さらなる検査・治療のため帰国しておりますが、いよいよ入院、手術となりますので、このブログ、ほんの少しの間、お休みさせていただきます。いつも読んでくださっている方々に申し訳ない思いでいっぱいですが、しばし、お待ちくださいませ。
手術と言っても、大掛かりなものではないので、ご心配は無用です。すぐに回復して、また元気にいろいろなことをお伝えしたいと思います。
93年に渡米して以来、病気らしい病気をしたこともなかった私ですが、とうとう病気らしい病気(?)にかかってしまいました。が、これもきっと神様のおぼしめし。というか、少しだけスローダウンして休みなさいというメッセージだと受け止めています。神様のおっしゃる通り、ほんの少しだけ、お休みさせていただくことにしました。
なんとなく、神様、神様と書くと宗教がかって聞こえますね。私、クリスチャンではありません。仏教徒というほどのものでもありません。が、苦しいときは、やっぱりお祈りもしてしまいます。それに、取材の折りは、ときどき「ゴルフの神様」なんてものの存在を肌で感じているので、この際、私に休暇をくれた神様は「ゴルフの神様」ということにしておこうと思います。
ゴルフの神様、無理矢理(?)、お休みをくださって、ありがとう!
元気になったら、すぐにこのブログ、更新します。
みなさんも、流行しているインフルエンザなどにかからないよう、お体、お気をつけください。
それでは、行って来ま~す!
舩越園子

(08年、PGAツアーがハワイで開幕するころには元気になっているでしょう。)
Photo・JJ
2007年12月07日
丸山大輔選手のシード獲得が実現しなかった今年の米PGAツアー・Qスクール。フランク・リクライターがトップ合格となったわけだが、結果を見てちょっぴり気になったのは、韓国勢の台頭だ。ジン・パークが4位、YE・ヤンが6位タイでフルシードを獲得。これで来年は、KJ・チョイ、ケビン・ナ、アンソニー・キムと合わせて合計5名の韓国人選手が米ツアーで戦うことになる。さらに、DH・リーが33位でネイションワイドツアー入り。このリー選手は、これまで東京在住。日本語も堪能だそうだ。
韓国勢というと、これまでは米女子ツアーでその勢力が目立っていたが、米男子ツアーで奮闘していたのは、長い間、KJ・チョイただ一人だった。そこにケビン・ナが加わり、アンソニー・キムが加わり、来年はとうとう5人。一方、日本人のフルシード選手は3名から2名へ減少。この傾向、気にならないわけがない。

(左がジン・パーク、右がYE・ヤン)
かつて、KJチョイは、「母国では女子ツアーが盛り上がっているけど、男子はまだまだ」と言っていた。しかし、数年後には「男子もすごいことになってきた」。そうやって母国の男子ツアーを盛り上げた立役者は、もちろんKJチョイ本人だ。母国の男子プロたち、あるいはその予備軍たちが「KJのようにアメリカで活躍したい」と憧れ、その夢を一歩ずつ実現し始めているからこそ、来季は5名というレベルまで到達したのだ。
同様に、米女子ツアーにあれだけ大人数の韓国人選手が集っているのは、あの朴セリのおかげ。彼女がアメリカでメジャー優勝を重ねた姿を見て、母国の女子選手や予備軍たちが「セリのようになりたい」と憧れた。
アジアのゴルフを盛り上げる立役者は、やっぱり本場アメリカで活躍する母国の選手。まだ韓国ほどの効果は出ていないが、たとえばインドのJMシンなども、インドのゴルフ活性化の立役者になることは必至であろう。

(ネイションワイドツアーのフルシードを獲得したDH・リー)
そんな周辺の国々のゴルフの現象を眺めてみると、日本の場合は「?」と思ってしまう。アメリカで活躍していて日本の若い男の子たちの憧れの的になりうる選手は、かつては丸山茂樹だったが、今後はどうなっていくのか。今、日本で最も注目されているのは、まだ日本国内でも成績的に大活躍とは決して言えないアマチュアの石川遼。まだ高校生で、米ツアーに出たことすらない彼に、あたかも日本の男子ゴルフ界の未来を担わせようとさえしている大人たちの現状が恐ろしく感じられるほどだ。
牽引力には、世界で通用する経験と実力が必要。カリスマ性が必要。牽引力が世界レベルでなければ、牽引されて引き出されるレベルも世界レベルにはなりえない。日本国内だけで大騒ぎして、日本国内だけで終わってしまったら、それは狭い空間の中だけで「起こって」「消える」一時的なブームに過ぎない……なんてことを、Qスクールの結果を眺めながら、真面目に考え、憂いを覚えた。

(丸山茂樹もチェ・キョンジュを“ツアーのお兄さん”と慕う)
Photo/JJ Tanabe
2007年12月04日
米PGAツアーのQスクール最終ステージに挑んでいた丸山大輔。残念ながら結果は129位タイとなり、上位25名に与えられる来季フルシード権の獲得はならなかった。
敗因は「疲労」。つまり、スケジュール調整の失敗だった。シーズン終盤のフォールシリーズは7試合全戦に連戦し、終わった直後に帰国して日本の2試合に連戦。そして再びアメリカに戻り、Qスクール会場に入ったのだが、体はボロボロだったようだ。「疲れました。スケジュールは失敗です。こっちに備えるべきだった」と、後悔の念を語った丸山。
なぜ、Qスクールを控えた大事な時期に、わざわざ帰国して日本2連戦を敢行したのか。大ちゃんは、VISA太平洋とダンロップフェニックスに出たのだが、彼には、こうした日本の秋のビッグ大会に出続けたいという思いがあったのだ。すでに今年の夏ごろまでに、彼は日本の3試合(+1試合WD)に出場していたわけだから、海外参戦者への特例である特別シードは確保していた。しかし、特別シードは賞金ランク70位以内の枠の下に位置づけられるカテゴリーゆえ、特別シードだけしかないと来年は秋のビッグ大会に出られないと読み、そのために、あえて強行スケジュールを選んだのだそうだ。

(日本人選手の新たな戦い方を見せてくれた。参考にすべきことがとても多かったと思う。)
その結果、日本の賞金ランクは58位までアップさせることができた。だが、そのために体がボロボロになり、米ツアーQスクールには失敗してしまった……いずれにしても、もう後の祭りである。
最終ラウンド終了後は、取材に入っていたNHKのスタッフや私の相棒カメラマンのJJ田辺らと、みんなで夕食に出かけたのだという。大ちゃんは、すでに残念な結果を割り切り、明るい表情を見せていたそうだ。
米ツアーの今季賞金ランクは149位。米ツアーでは準シード資格で、数試合には出られるし、日本の開幕前の春先は、可能な限り、米ツアーの試合に挑戦するつもりだ。ソニーオープン、AT&Tぺブルビーチあたりは出場できそうな気配。米ツアーがダメでも、フルシードとなっている二軍のネイションワイドツアーには「出られる試合は、なるべく出たい」と、意欲を見せている。
これまで、「米ツアーにフル参戦後、シードを落とし、翌年のネイションワイドの出場資格はある」という状況になった日本人選手で、「ネイションでも、出られるなら出る」と答えた人は、いなかった。「ネイションなら日本に帰る」が定番だった。だが、過去には孤独にアジアツアーを転戦し、この2年間の米ツアー参戦でも孤独な戦いを続けてきた丸山は、チャンスはすべて生かすという心意気。これは、なかなか見上げたものだと感心させられる。
Qスクールはダメだったけど、大ちゃんのアメリカ参戦の道が完全に途絶えてしまったわけじゃない。気持ちさえ強く前向きなら、道は必ず開けるはず。大ちゃんには今後もがんばってほしい。でも、とりあえず、疲れた体と心を癒してほしい。大ちゃん、お疲れさまでした。

(QT以外にもPGAツアーにカムバックできる道はたくさん残されている。
来年も期待してますよ!)
Photo/JJ田辺
2007年12月01日
今季の賞金ランク149位で来季のフルシード獲得に失敗した丸山大輔選手が、現在、Qスクールに挑戦中だ。最終ステージは6日間。初日に71で、やや出遅れた丸山だが、2日目は68で38位タイまで巻き返した大ちゃん。だが、3日目は72で、順位は再び65位タイへ下降。そして間もなく4日目のラウンドが始まろうとしている。日本時間は今、土曜日の夜8時半すぎ。大ちゃんの4日目はアメリカ東部時間で午前8時のトップスタートだから、日本の夜10時が彼のティタイムだ。
今頃、どんな気持ちで4日目のラウンドを迎えようとしているのだろう。今回は私は日本滞在を余儀なくされている身なので、現地へ駆けつけることができず、それが何とも苛立たしくてたまらない。これまでにもお伝えしたが、今年の大ちゃんには本当にいろんな出来事が起こった。それをすべて黙って受け入れ、静かに笑顔を讃えていた大ちゃんには、何が何でもQスクールを突破してほしい。
今回のQスクール会場は、フロリダ州オーランドにあるオレンジカウンティナショナル。このコースは2年前、大ちゃんが初挑戦して見事合格した際のQスクールと同じ場所だ。終盤に猛チャージをかけて追い上げたあのときの好感触が大ちゃんにはきっと残っていると思う。あのときも、ダメもとで受けて合格したのだから、2年間の米ツアー経験を得た上で受けている今年は、あのときよりは経験値だって高い。フォールシリーズだって終盤に向かって調子が上向いていたのだ。そうしたことを加味すれば、今回だって合格できる可能性は高いと思う。
間もなく、私の相棒カメラマンJJ田辺が現地へ到着するはず。私自身がこの目で大ちゃんの奮闘を見届けられないのが残念だが、取材はJJ田辺に任せ、私の分まで応援してもらおう。
大ちゃん、応援に行けなくて、ごめんなさいね。でも、日本で合格を祈りながら、来年またアメリカで会えると信じています。だから、がんばれ、大ちゃん!

(第4ラウンドは+1で大きく後退。最後の2日間で一気に追い上げたい)
Photo/JJ Tanabe