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2009年01月31日

「発音、違うよ!」の小話を2つ

不況が深刻化するアメリカ。その煽りをまともに受け、米LPGAのビッグスポンサーだったギン・リゾートがゴルフ界からの完全撤退を発表。これに伴い、予定されていたギン・オープンがいきなり消滅してしまった。新たなるスポンサーがつかない場合、今季の米女子ツアーは昨季より4試合減の30試合になってしまう。


それにしても、「ギン=GINN」という名前は、数年前、突然にして米ゴルフ界に響き渡るようになった。ちょうど宮里藍ちゃんの米ツアー参戦開始となったとき、大会名の日本語表記を日本メディアの誰もが最初は「ジン」と書き、後日、実は「ギン」だったということで、全員が慌てて表記訂正したなんて出来事が昨日のことのように思い起こされる。


ギンは、PGAツアー、チャンピオンツアーでも冠スポンサーとなり、そうそう、07年の終盤、丸山茂樹が優勝争いの末に2位になって08年シードをぎりぎりで死守したあの大会も、ギンがスポンサーのギン・シュルメールクラシックという大会だった。


昨年いっぱいでツアーから引退したアニカ・ソレンスタムのアカデミーがあるのも、フロリダのギン・リゾート内。今回のギンの撤退は彼女のアカデミー運営に影響はないのだろうかと心配になる。


ところで、GINNの発音がジンではなくギンだ、なんてことを思い出していたら、間もなく米ツアー初挑戦となる石川遼の「RYO」の発音がどんどん気になりだした。というのも、アメリカ人は「リャ」「リョ」みたいな音が案外苦手。今田竜二の「Ryuji」も、さらって聞くと「リュウジ」に聞こえるのだが、よーく聞いてみると、アメリカ人は「リウジ」と発音しているのだ。「リュウジ」ではなく「リウジ」。となると、「リョウ」は「リヨウ」とか「リオ」とか、そんな感じになるはずで、1番ホールのスターターのアナウンスがどうなるのか、今から心配になる。


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(「違う!リウジじゃなくてリュウジ!」って教えてる?ワケないか……)
Photo / Sonoko Funakoshi

「リョウ」の発音に関しては、父・勝美氏もちょっぴり気にかけていた。そもそも勝美氏は世界において発音しやすいように「遼」と名付けたそうなのだが、欧米人には実は発音しにくいと知って、あれれ?という感じ。そういえば、石川デビュー戦となるノーザントラストが発行したニュースリーリスに「大会コミッショナー推薦で石川遼が出場する」という内容が(もちろん英語で)書かれていたのだが、よーく見たら、そこに書かれていた文字は「Ryu Ishikawa」。ありゃりゃ、竜二くんとごっちゃになっちゃったのかな?


だとすれば、これもアメリカ人の「Ryu」「 Ryo」の発音がおぼつかないがための混乱なのかも。石川の姿を一目見れば、おそらく彼らが今田竜二と石川遼を間違えることはないだろう、きっと。


2009年01月28日

なぜ、ベンツ?

石川遼の米ツアーデビュー戦となるノーザントラストに、オフィシャルカー・スポンサーとしてメルセデスベンツがついたと発表された。


これを聞いて、ちょっと複雑な気持ちになった。もともと、米PGAツアーのオフィシャルカーを提供しているのはビュイックのGM。そのGMらビッグスリーの業績が限りなく不振に陥り、今季からはオフィシャルカーも今まで通りには提供できない事態。そんな中、ベンツが大会のオフィシャルカースポンサーに付いたという経緯なのだが、大会が望んでいたのは、本当はトヨタだったんじゃなかろうか?もちろん、遼君効果という意味だ。


もっとも、あの巨大企業のトヨタも業績面では苦しんでいるそうだから、まあ、契約選手の石川がスポンサー推薦を得たからと言って、すぐさまホイホイ、契約が結べるわけではないことは自明の理。ベンツと大会の契約は2年間とのことだから、大会側はひょっとしたら、2011年以降の契約をトヨタに交渉し始めているかもしれないなあと思われる。


今年のノーザントラストでは、14番パー3のホールインワン賞としてベンツが提供されるほか、出場者全員に大会期間中に無料で使えるオフィシャルカーとしてベンツが提供される。


となると、石川にもベンツが提供されるのだが、問題はトヨタとの契約があること。自動車会社と契約しているプロ、とりわけ大物選手は、オフィシャルカーが契約先以外の会社のものである場合、往々にしてそれに乗らず、契約メーカーから別途提供してもらうことが多い。タイガーも、かつてのミケルソンも、そして丸山もそうだった。果たして石川は、ベンツに乗るのか、トヨタに乗るのか?妙なことが気になりだした。


そういえば、ベンツとの契約を発表した大会側のリリースには、石川の出場に関する記載もあった。「17歳のprodigy, Ryo Ishikawa」と書かれていて驚いた。「prodigy」とは、「天才、神童」「怪物」なんて意味もあるが、「不思議なもの、こと」「驚異」なんて意味もある。彼らは、どんなニュアンスでこの言葉を使ったのだろう。まだ石川のプレーぶりを間近で見ていないうちから天才とか怪物とか感じるとは考えにくい。すると、不思議?もしかしたら、日本のあまりのフィーバーぶりが不思議に思えて、そこから「不思議=prodigy」って感じだろうか?


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(本物のBMWの半額ぐらい?)
Photo / Akira Morinaga


先週のボブホープ会場では、ご覧のような車のようなゴルフカートがあちらこちらを走っていたそうだ。ポルシェ風、BMW風、写真はないがベンツ風もあったとか。トヨタのレクサス風もあったのだろうか?本物の高級車は不況の煽りで全然売れないようで、国内のディーラーも閑古鳥が鳴いている。それならば、せめてゴルファーは高級ゴルフカートってことで、いかがかしらと思いきや、実はこのカート、200万円以上もするらしい。エコノミカルな車なら、これより安く手に入るわけだから、そうなると、このカートも不況下では売れないか……。


やっぱり今の状況下、勢いがあるのは、石川旋風だけ?

2009年01月25日

やっぱり時代の流れだなあ

石川遼のマスターズ出場が決定した直後、いや、彼の米ツアー3試合のスポンサー推薦が決定した直後から、私の周囲では目まぐるしい動きがあった。新聞社も出版社もテレビ局もラジオ局も、とにかく日本のほぼすべての媒体が石川に寄せる注目度はとんでもなく高い。その高さを痛感させられるにつけ、だからこそ石川は時代の流れに乗ったのだなあと確信できる。

このコーナーで前回、ノーザントラストが発表したチャーリー・シフォード・エグゼンプションの話を書いたが、その発表に続く石川への推薦オファーの発表。と同時に、他2試合の推薦オファーも発表され、さらにはマスターズ招待決定の朗報。この流れは、どう考えても、不況に喘ぐ米国全体の方向性、そして米ゴルフ界の方向性から生まれたものだ。


その方向性とは、1つには経済的な危機から脱するための動き。つまりは、金銭目的。米PGAツアーもマスターズも、今後、既存のスポンサーを失う可能性は高く、その対策として将来的に日本企業からスポンサードを得ようという目論見がある。
 
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(マスターズは00年、アーロン・バデリーを特別枠で招待。99年にはアマチュアとして、00年はプロとして豪州オープンを制した実績が買われた。)
Photo=Yasuhiro JJ Tanabe
 
もう1つは、改革姿勢のアピールだ。マイノリティを対象とするエグゼンプション創設は、まさにチェンジ姿勢の表れだし、17歳の石川に3つの試合が推薦を出すのは、米ツアーが米国のみならず世界へ広く目を向け、若き才能を大切に伸ばしたいという建設的な姿勢の表れだ。


マスターズ委員会も然り。数年前、女性差別問題でぐちゃぐちゃになったとき、オーガスタナショナルが差別的だと女性団体から批判されたが、そんなイメージを払拭し、時代の要求や時代の変化に即してチェンジしながら発展していきたいという彼らの姿勢が、石川を招待するという異例の決定につながったのだと思う。


歴史や伝統、過去の前例から推測すれば、特別招待が石川に出される可能性は低かった。しかし、危機に瀕する米国社会全体が、もはやさまざまな改革に迫られており、そんな時代の流れが「異例」を生んだ。


異例は異例。しかし、時代の流れに沿い、時代の流れに乗ることができた強運もまた石川の実力のうちということなのだろう。タイガー・ウッズも丸山茂樹も「自分は強運の持ち主」と何度も語っていたことが思い出される。


今後は、石川が生まれ持った強運が、実際に米国の土の上で、どこまでどんなふうに発揮されていくのかを間近に見守りたい。2月、3月、4月。あー、忙しくなるけど、楽しみになってきた。

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(07年マスターズ優勝のザック・ジョンソンのキャディ。ジョンソンは今年早くも1勝を挙げた)
Photo=Sonoko Funakoshi

2009年01月20日

時代の流れ

バラク・オバマの大統領就任とタイミングを合わせて、米ゴルフ界でも驚きの発表があった。ロサンゼルスのリビエラCCで開催されるノーザントラストオープンに「チャーリー・シフォード・エグゼンプション」が設けられるというニュースだ。


チャーリー・シフォードとは、PGAツアーで2勝を挙げた往年の黒人選手。そのシフォードにちなんだエグゼンプション、つまりは、マイノリティと呼ばれる黒人のゴルファーを大会に招待出場させるという意味だ。


推薦あるいは招待による出場といえば、通常は話題性や注目度の高い選手をスポンサー企業や主催者が招くというものだが、その対象をマイノリティに限定して選ぶというのは、米ツアーでも初の試み。タイガー・ウッズが王者に君臨していても、こんな試みはかつて行われたことがなく、今回の決定は、タイガー効果ではなくオバマ効果の賜物と言っていい。
 
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P=JJ
 
某誌にすでに書かせてもらったが、オバマ大統領選手の影にはタイガーの存在と活躍があったと私は固く信じている。元来、白人のフィールドとみなされてきたプロゴルフの世界でタイガーが王者になったことで、国政においても黒人リーダーはありだという考え方が合衆国の国民の間に芽生え、根付いた。その結果、オバマ大統領誕生となったのだ、と。


そう言ってしまうと、タイガーの後押しでオバマが選ばれたという図式になるが、今回のエグゼンプション設置は、逆にオバマ効果でゴルフ界が動いたという図式。つまり、誰が誰を後押ししたとかしないとか、そういう順番や序列ではなく、黒人あるいはマイノリティの人々が、今、強い力となって何かを動かしつつあるということなのだろう。


Change! 合衆国もゴルフ界も、さまざまなチェンジが求められている。そのカジ取り役にふさわしければ、人種や肩書き、年齢など無関係。最適任者がリーダーになるべし。未曾有の経済危機に見舞われ、苦しい時代だからこそ、そんなリーダーが必要なのだ。オバマ氏が提唱するチェンジが、早くもゴルフ界で1つ実った。
 
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(時代は移り変わるが、時代ごとにゴルフ界を牽引する強烈なスターが存在する)
Photo=Yasuhiro JJ Tanabe

2009年01月18日

朗報なの?

丸山茂樹が優勝争いに絡んでいるハワイ。是非とも優勝して、向こう2年間のシード権を獲得してほしいと心底思う。ここ数年、心身ともに沈み込み、そのせいでゴルフも沈み気味だった丸山だが、彼の心さえ元気になれば、彼のゴルフは、今も米ツアーで優勝するに十分なレベルだ。丸山自身は、自らの飛距離では、もはや太刀打ちできないなんてことを、何度も何度も口にしてきたけれど、彼の小技のうまさは、絶対に彼の飛距離不足をカバーしうるものだと、ずっと信じている。
 
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P=JJ
 
ところで、そのPGAツアーにニューフェースが登場。とはいえ、新人選手という意味ではない。PGAツアーは、試合のエントリーやツアー側との連絡に利用するパソコンを選手たちに無償で支給しているのだが、これまではずっとIBM製だった。しかし、今年からは、マッキントッシュか、ヒューレットパッカード、どちらか好きなほうを選手が選べるということになった。


なぜ、IBM製が消えたのか。これも、金融危機に端を発する不況の影響か。IBMが手を引いたということか?さっそくツアー側に尋ねてみた。すると、ツアー側の回答はこうだった。


「これまでは有無を言わさずIBMだったものが、マックかヒューレットパッカードか、どちらかを選べるというチョイスが生まれたんだから、ツアーにとっても選手にとっても喜ばしいことだろう?」


つまり、経済危機に伴う暗いニュースではなく、むしろ協力的なスポンサー企業が増えたという明るいニュース?朗報?「もちろん!その通り!」


まあ、IBMがなぜ消えたかという問いの答えは得られなかったけれど、1社より2社のほうがいいし、選択肢は多いほうがいいというのは確か。モノは考えようで、さすがはPGAツアー。どこまでも前向きでGOOD! でした。
 
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(丸山の元気な姿が見られたのはGOOD。今田も週末に順位を伸ばした。)
Photo=Yasuhiro JJ Tanabe

2009年01月15日

親切と若い力

まだ日本に滞在中。今日は、銀座の近くの豊洲に近々にオープンするゴルフ施設「フェイバーゲート」のお披露目パーティにお誘いを受け、ちょっと覗いてきた。とはいえ、東京生まれなのに長年の東京離れで浦島状態で、ついでに生来の方向音痴である私には、目的地を探し出すのが実は大変だった。うろうろしてもなかなか場所がわからず、ついに、通りすがりのコーヒーショップへ。で、申し訳ないからコーヒーを飲んだ上で、お店の店員さんに目的地の住所を見せ、「これ、どっちですかあ?」。すると、お店のお兄さんは、わざわざ地図帳を出してきて、一生懸命、探して教えてくれた。日本人って、親切だなあと感激。


親切といえば、先日、こんなことがあった。某新聞社の記者が私のコメントを入れ込んだ記事を書き、その記事が「今日、掲載です」という知らせをもらった。で、すぐに見ようと思ったのだが、駅のスタンドに買いに行くタイミングが遅れてしまい、行ったときにはスタンドから朝刊が消えてしまっていた。仕方なく、近くのコンビニを4軒回ったが、すべて売り切れ。ああ、どうしよう……。すると、コンビニの店員さんがイエローページを出してきて、その新聞社の販売店の電話番号を調べてくれた。販売店に電話をして、「朝刊を2部ほど手に入れたいのですが……」と伝えると、「ここ(販売店)にきてくれたら、いくらでもありますよ」。しかし、その販売店は歩くとちょっと遠い位置にあることが判明。すると、「じゃあ、そのコンビニの前で待っていてください。すぐにバイクで持っていきますから、5分ぐらいで着きますよ」。その言葉通り、販売店のおじさんは5分以内で新聞を運んできてくれた。その親切がとってもうれしくて、記事を書いた記者に、その話を伝えた。すると、その記者は、わざわざ販売店に電話を入れ、お礼を言ってくれたのだそうだ。なんか、みんな優しいなあ。人々のさりげない親切が、妙に身に染みた出来事だった。


そんなことがあったところで、冒頭のお披露目パーティーに行ってみると、そこは私にとっては、ものすごく新鮮な場だった。最近、日本では(東京近辺では?)ゴルフシュミレーターで遊べるゴルフバーが大人気という話は耳にしていたし、つい昨日も前述の新聞社とは別の某新聞社の方々と食事をした際、「それじゃ、二次会はゴルフバーに行きましょうかあ」という声が、ずっと私の耳元で鳴り響いていた。


今日のお披露目で目にしたその施設は、シュミレーションゴルフというものを練習やレッスンに活用できる「アスリート的な一面」と、ゴルフバーのように遊べる「レジャー的な一面」が、うまくミックスされており、これなら、いろんな腕前のゴルファーが、いろんな目的でゴルフに触れられるなあと、お世辞抜きで思わされた。


一番、ユニークだと思ったのは、社長が「まだ、そのあたりは決まってない……というか、決めてないんですよ」と笑顔で語ったこと。決めてない=柔軟に対応していきたい。この柔軟さが、さまざまなニーズに応えるさまざまな工夫を呼び起こしているのだろう。


もう1つ、「へえ~」っと感じたのは、施設内に設置されていたスイング軌道や弾道、ヘッドスピードなどの解析マシーンが、数年前、米PGAツアーの練習場にメーカーが持ち込んでスタッフプレーヤーの解析を行っていたときに見たマシーンの完全なる応用・発展バージョンだったこと。アメリカから日本へ、プロ用から一般ゴルファー用へ、進化しながら普及していく様をこの目で見たことは、大袈裟にいえば、ゴルフ界の国際普及や発展を生体験しちゃったなあという感じだった。

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施設を運営するマスターシップは、社長以下、社員はわずか5名。全員が30歳代前半と若く、彼らヤングリーダーたちが20歳代の15名のアルバイトスタッフを率いていくという。彼らの目は光輝いていた。「新しいことをやりたい」「従来のゴルフ業界にはなかったもの、なかったことを僕たちが目指したい」。希望に溢れる人々の表情はすばらしい。若い力って、いいなあ。


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世の中、不況だ、不景気だという暗い話題でいっぱいだが、わずかな日本滞在中だけでも、私がこんなにも親切を感じられる日本社会の未来は、結構、明るいのではないかと思えてきた。「僕らが変えていきたい」と意欲を燃やす若い力は、日本のゴルフ界を刺激し、盛り上げる強い原動力になるのではないかと思えてきた。道に迷って寒かったけれど、なかなか、楽しい体験だった。


2009年01月10日

小さな努力こそ

米PGAツアーがハワイで開幕した。第1戦のメルセデスベンツ選手権で関係者を驚かせたのは、ビジェイ・シンが今週になって翌週のソニーオープンの欠場手続きを済ませていたこと。そして、その謎の答えを突き止めたのは、ハワイの地元紙だった。


その報道によれば、シンは膝の手術に踏み切るため、ソニーオープンから少なくとも5週間、ツアーを欠場するとのこと。どうして開幕早々に手術を決めたのか、そのあたりの詳細はまだ明かされていないが、いずれにしても、タイガー・ウッズが欠場中の今、フェデックスカップ総合優勝者のシンまで欠場することになり、米PGAツアーにとっては苦しい09年のスタートとなった。


苦しいといえば、未曾有の金融危機の余波で、米経済のみならず世界中の経済が苦しんでいる。米PGAツアーのレギュラーシーズンはスポンサー降板もなく、予定通りのスケジュールで行われる見込みだが、フォールシリーズはすでに2試合減が決まっている。それだけで済んでくれればいいが、今後、何がどうなるかは、今は予測もつかない状況だ。さまざまな企業と同様、資金面・スポンサー面で苦しい1年を迎えた米PGAツアーにとって、タイガー不在、シン不在となる序盤戦は、もはや三重苦だ。

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P= JJ


しかし、米メディアはそれでもなお、前向きな記事を発していて、ほっとした。「今こそは、ヤングスターにとっても誰にとっても最大のチャンス。成功への扉は大きく開かれている」。


まさに、その通り!金融危機に絡む問題は、すぐさま解決はできないし、ましてや米PGAツアーや関係者の努力で経済全体が上向くはずもない。タイガーやシンの肉体的状況も然り。ツアーや関係者は、この苦境に向き合うしかない。だが、どうせ直面してしまったのなら、少しでも、その状況をいい方へ解釈し、いい方へ向けていこうよ……そんな気概が米ゴルフ界に芽生え始めている。


思えば、ライダーカップのごときチーム戦が行われるたびに、「個人主義のアメリカ人は団体戦が苦手だ」と、何度も言われてきた。実際、アメリカ人は確かにインディペンデントだ。しかし、何か大変なことが起こると、彼らはものすごい団結力を発揮する。たとえば、事故や災害などが起こったとき、救助活動やボランティア活動が、どこからともなくあっという間に始まり、どんどん広がっていく。しかも、その始まりは、まったく知らない人どうしが、同じ目的だからということで、いきなり手を取り合ったりしているのだから、感服させられる。コトの大小レベルはさまざまだが、そんなことが、日常生活においても、あちらこちらで当たり前のように起こる。そういう傾向は、一体、どこに端を発しているのだろうか。キリスト教の博愛精神?開拓使のスピリッツ?これまでも、しばしば不思議に思っていたが、まあ、この答えは、あまりにも専門外の私には、今のところ、わからない。


それはわからないのだが、今、米PGAツアーが置かれている状況は、「何か大変なことが起こった」状況と言えるだろう。そして、こういうときほど、ツアー選手たちは、みんなで危機を乗り越えようという意識を強めるだろう。実際、メルセデスベンツ選手権では、アーニー・エルスなどが、「これまで1日しか参加しなかったスポンサー企業等へのサービス活動を、2日に増やすような努力が必要」と率先して語っていた。もちろん、エルスはアメリカ人ではないけれど、米ツアーを大切に思う選手たちは、自分にできることは積極的に行って、ツアーの一助になろうという自覚を抱きつつある。


1人1人の小さな努力とはいえ、名のあるプロゴルファーの小さな努力は、社会においては大きな効果を発揮する。そんな努力の積み重ねが、どんなふうに、どこまでツアーを助けることができるのか。今季の米ツアーと選手たちの動向を、そんなアングルからもじっくりと眺めたい。今後の日本や各国のツアーにとっても、大いに参考になるはずだ。だから、しっかり見届けようと、そう思う。

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Photo=Yauhiro JJ Tanabe

2009年01月06日

理事ですか……

石川遼がJGTOの選手会理事に選出されたというニュースが、あっちこっち。これまで、選手会に関しては、とりあえず誰が会長に就任したかぐらいは小さく報道されてはいても、これほどビッグニュース扱いされたことはないだろう。それなのに、なぜこんなに大きな扱いなのか?そりゃあ、「石川という人気者が選出されたから」の一言に尽きる。


で、すぐさま思ったのは、選手会理事の役割は何で、その役割を果たす上で高校生の石川はふさわしいのかどうかということ。


本来、選手会理事は、ツアー選手たちの意見や希望を汲み上げ、それを理事会にかけ、ツアー側に要望を出したり、ツアー側と協力して問題解決したり、といったこと。米ツアーにも同様のシステムがあり、選手全体を代表してそうしたことを行うわけだから、理事に選出されるのは選手たち全体から慕われ、信頼され、実際に代表としての行動力や判断力がある、たとえばデービス・ラブのごときベテラン選手になる。そんなとき、いくら人気が出ても、タッド・フジカワが理事候補になったりはしなかった。ああ、タッドといえば、父親が逮捕され、息子のタッドの将来はどうなるのだろうかと静観されていたのだが、来週のソニーオープンのマンデー予選に挑戦するとのことで、ちょっぴりほっとした。
 
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(何度も選手代表理事を務めたことのあるデービス・ラブIII)
P=JJ
 
ああ、話がそれた。で、選手代表という点で、石川はどうなのか。彼は高校生にしては高校生らしからぬほどの落ち着きや度胸を感じさせるのは確か。実際、受け答えなどからしても、頭は良いのだろうと思われる。だが、選手全体の意向を汲み、代表として行動するという点は、どう考えても、高校生が他選手よりふさわしいとは、やっぱり思えない。こういうときほど、大人の選手が率先して「オレが代表役を務める!」と立候補するぐらいの気概がほしい。そして「高校生よりオレたち大人のベテランのほうが、立派な務めができる」と胸を張って言ってほしい。それなのに、そうではなく、石川を選出してしまう展開を眺めるにつけ、選出された石川はさておき、他選手たちにがっかりさせられる。


ただ、日本の報道によれば、JGTOの選手会理事は、ゴルフ振興のために小学校などを回り、エキシビションや指導をゴルフ大使として行うのだとか。この役割においては、もはや日本のスーパーヒーローとなり、小学生でも知っている石川は適任だろう。おそらく、現在の日本の男子プロゴルフ界において、この役割は、石川が最適任者だ。


だが、一番腑に落ちないのは、「ゴルフ大使」と選手代表としての「まとめ役」の両方が、理事の仕事になっていること。ゴルフ振興のための活動は、米ゴルフ界なら、各選手が個別に行ったり、数人の選手がグループで行ったり、あるいは、ツアーとは別のゴルフ団体が行ったり、さもなければ、いくつかのゴルフ団体が共同で主催して、そこに数名のプロを招いたり。ツアーとして行う場合も、主催はツアー、プロたちはスケジュールに応じて数名参加、というケースが多い。こうした活動が、選手会理事の任務・役割の1つとして行われることは、まずない。
 
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(選手代表理事を務めていたころ「理事職はいそがしくて大変」ともらしていたB・ファクソン)
Photo=Yasuhiro JJ Tanabe
 
いやいや、チャリティやゴルフ大使的活動は、誰が主催しようが、誰が参加しようが、やらないよりやったほうがいいわけで、日本においても、JGTOが主催しようが、選手会が行おうが、石川個人が行おうが、やってくれるのは、とにかく喜ばしいことなのだ。


しかし、そうした活動に石川人気を活用するのが便利で、だから高校生でツアーにもまだ不慣れだけど選手全体を代表する役割も含めて彼を理事に就任させちゃえ!という安易な考え方が、どうしても納得できない。石川に能力がないとか、石川が理事になっちゃ嫌だとか、そういう低次元の話をしているのではなく、ツアーでやっと2年目をこれから迎える高校生と、長年ツアーでやってきた20代、30代、40代の大人の選手たちと、どっちが「まとめ役」にふさわしいか。ふさわしいはずの選手たちは、自分たちの責任や役割をどう思い、どう感じているのか。それだけの話だ。


それで、もし「だから、大人のプロたちより高校生の石川のほうがふさわしいんだよ!」という答えが手放しでツアープロ全員から返ってくるのだとすれば、「ちょっとちょっと、あなたたち、本気ですか?」と、私は首をかしげてしまう。


石川人気がすごいから、なんでも石川を持ち上げて担ぎ出せば、それがツアー人気につながるという考え方もあるのだろう。だが、そこまで石川だけに頼るのは、石川に重荷を背負わせ過ぎだし、大人たちは情けなさすぎるし、無責任すぎる。「自分がツアーを活性化させる」という意識を、一人一人がもっと強く持つべきではないのかなあ。そうならない限り、最終的にツアー人気は長持ちなんてしないでしょう?私は、どうしても、そう思う。

2009年01月02日

明けましておめでとうございます!

みなさん、明けましておめでとうございます。
このブログも、ずいぶん長いこと書かせてもらってますが、いつもたくさんのコメントを寄せていただき、
本当にありがとうございます。
09年も、どうぞよろしくお願いいたします。

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新年を迎えると、アメリカツアーはあっという間に開幕だ。ハワイで開催されるメルセデス選手権には、昨年、初優勝を遂げた今田竜二が初出場。日本から12月にフロリダ州タンパに戻り、そこでお正月を迎えた今田は、年末年始気分もそこそこに、練習していたはずだ。


そもそも、アメリカの人々は、お正月気分というものがあまりない。お正月よりクリスマスのほうが彼らにとってはビッグイベントゆえ、クリスマスが終わってしまえば、気分はすでに「通常通り」。だから、PGAツアーの開幕戦が1月に入ってすぐに始まっても、気持ちの切り替えという意味では、別段、大変なことはないわけだ。
 
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(あけましておめでとうございます。今年はゴルフ界も波乱の年となりそうですが、みなさまのますますのアポートをいただき頑張っていきたいと思います)
Photo=Yasuhiro JJ Tanabe
 
その点、日本はお正月のほうがビッグイベント。そして、お正月気分から抜け出し、「通常通り」に戻すのに、ちょっぴり大変なんてことも、しばしば。でも、それは一般庶民ならともかく、プロゴルファーなるものが1月下旬や2月ごろになっても「オフ気分から抜けてない」「オフはクラブを握らなかったから、感覚を取り戻すのに時間がかかる」「まだエンジンがかかってない」なんて言葉を吐くのは、はっきり言ってだらしない。プロ意識の欠如だ。しかし、過去には、アメリカツアーに推薦枠などでやってきた日本人選手の口から、そんな言葉を何度も聞かされた。


もちろん、今田の場合は、そんな言葉は決して出ないし、今年も出ないだろうから、まったく心配はない。でも、日本にいると、あまりに報道が多いせいか、やっぱり私も石川遼の1月2月はどんなスケジュールになるのかなあというのが、気になることは気になる。


マスターズ特別招待枠については、私は「可能性は低いと思う」と書いたり答えたりしている。特別招待は、かつてマスターズとは無縁だったようなゴルフ後進国から選手を招待し、その国の人々にマスターズやプロゴルフの素晴らしさを知ってもらうという国際交流、国際普及が目的だ。古くからマスターズに毎年欠かさず誰かが出場している日本から、しかも、すでに今田と片山晋呉が自力で出場権を得ている状況下で、わざわざもう1人、日本人を招待するというのは考えにくい。


となれば、石川はマスターズ前週までに自力で世界ランクを50位までアップしなければマスターズ出場は叶わないということになるのだが、そのために1月から3月ぐらいまでの米ツアーに出場するのが本当に得策かどうか。これまた疑問だ。


世界ランク64位までが出場できるマッチプレー選手権の出場は濃厚だし、せっかく出場できるとなれば、将来のために出るべきだろうけれど、あの大会で世界ランクのアップを期待するのは、石川にとっては、ちょっぴり酷な話だ。出場者の中で最下位に近い世界ランクで出るわけだから、1回戦での対戦相手は世界ランク上位者。タイガーは欠場だろうが、ガルシア、ミケルソン、ビジェガスあたりと、いきなる当たるはず。おまけに、米ツアー(WGC)初挑戦。おまけに、ストロークではなくマッチ。あまりにも不慣れなことが多すぎる。


とはいえ、最初から「無理無理」なんてネガティブな見方をするのは石川に対して申し訳ないし、だからと言って、「遼くんなら、きっと勝つ。きっと世界ランクを急上昇させる」なんて無謀な見方はできない。せっかく得たチャンスは活かしてほしいし、トライしてほしい。だが、それはあくまで、マスターズだけのためではなく、彼自身のまだまだ長い将来未来のためだと思いながら挑戦してほしいなあと、そう思う。


で、今、一番心配なのは、石川が米ツアーに推薦等で出場となったとき、詰めかける日本メディアの取材攻勢だ。アメリカツアーにおける取材上のルールやマナーを、きっちり全員が守ってくれればいいけれど、どうしても他選手たちの迷惑になる動きを集団でおこないがちになる。メディアセンターでも、コース上でも、どうしたって団子状態だし、大勢が詰めかければ、その団子は巨大団子になるだろう。その巨大団子は、傍から見れば、非常に奇異で、非常に見苦しい……と、米メディアたちは常々、言っている。「なぜ日本人は集団で動いて集団で取材するの?」と、米メディアから一体何度、聞かれたことか。記者会見などでも、いつかの全米オープンのときのように、石川報道だけの目的で他選手の気持ちを損なうような的外れ発言をしてほしくない。もっとも、そこまで非常識な言動をとるのは日本のほんの一部のメディア。だが、その一部のメディアのそんな言動で、過去に気を悪くしたり迷惑をこうむった選手は、タイガー・ウッズ、今田竜二……枚挙にいとまがない。だから、私は、今からそれが恐ろしい……。


あれっ?年明け早々、心配な話になってしまった。すみません。もっと明るく前向きな話を書いて、「09年は明るく笑顔でがんばろー!」と書くつもりだったのに、ふと気付いたら、不安話になっていた。それほど、この話が心配だってことだろうか?


ともあれ、私自身は、最近、妙に元気です!だから、09年もやる気満々。経済悪化で日米、いやいや世界中が喘いでいる昨今だが、そういうときだからこそ、1人1人の心持ちを前向きにして、少しでも明るい日々を送りたいではないか。私も、そんなふうに心が元気になる原稿を心がけて、今年も頑張ります!みなさん、よろしくお願いしまーす!!!

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    ハニーミルク [01/26 18:48]
    mari [01/26 18:53]
    ノリダー [01/26 19:17]
    tommi [01/26 21:40]
    TON [01/27 02:43]
    AONE [01/27 08:29]
    嘉麻亭 [01/27 11:42]
    KK [01/27 23:44]
    Nick [01/28 03:14]
    norida [01/28 09:07]
    ふう [01/28 09:55]
    a [05/15 11:48]
  • 時代の流れ
    Nick [01/21 00:25]
    AONE [01/21 10:41]
    ご意見番 [01/21 21:58]
    AONE [01/22 12:44]
    ホクトベガ [01/23 13:56]
    なるさ [01/25 00:18]
  • 朗報なの?
    norida [01/19 13:14]
    Pukekohi [01/19 16:47]
    毎度楽々 [01/19 20:58]
    Mact [01/19 21:13]
  • 親切と若い力
    なるさ [01/16 00:18]
    こーすきー [01/17 15:05]
  • 小さな努力こそ
    りゅう☆ [01/11 22:51]
    青空太郎 [01/12 11:02]
    なるさ [01/14 00:28]
    AONE [01/14 21:53]
  • 理事ですか……
    MR-G [01/07 01:10]
    りゅう☆ [01/07 09:38]
    kazu [01/07 10:34]
    ユハコリパパ [01/07 12:57]
    ご意見番 [01/07 19:52]
    亀 [01/07 21:03]
    りり [01/08 02:24]
    Nick [01/08 02:59]
    camel [01/08 09:19]
    青空太郎 [01/08 11:21]
    G&G [01/08 20:56]
    KK [01/08 23:39]
    舩越園子 [01/09 00:03]
    亀 [01/09 09:44]
    ゴルフ馬鹿 [01/09 15:08]
    KK [01/10 23:17]
    ご意見番 [01/11 08:58]
    ゴル [01/14 12:06]
    オマバ [01/23 22:07]
  • 明けましておめでとうございます!
    りゅう☆ [01/03 19:15]
    AONE [01/03 21:04]
    MR-G [01/04 00:19]
    Nick [01/04 12:48]
    ご意見番 [01/05 08:37]
    青空太郎 [01/05 11:57]
    池ぽちゃっり [01/06 00:17]
    なるさ [01/06 00:17]
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