2009年09月03日
新しいモノ、新しいコト
米ツアーの今週はプレーオフ第2戦。日本人で出場しているのは今田竜二だけだ。とはいえ、その今田も前週の第1戦終了後のフェデックスカップランクが99位だから、「100位まで出場できる」という第2戦の出場資格を文字通り、ぎりぎりでクリアした身。しかし、ここで頑張れば、第3戦にも出られる可能性はあるし、さらにがんばれば最終戦にも出られる可能性がある。
今季、今田の成績は前年と比べれば不調だ。トップ10になかなか入れず苦戦続き。その原因は主に2つ。1つは、夢のマスターズ出場を果たして気が抜けた感じになってしまったこと。そしてもう1つは、マスターズ以後、しばらくしてから取り組み始めたスイングチェンジ。
まあ、チェンジと言っても、ボールの捉え方がまったくわからなくなるような大幅チェンジではないから、一見、チェンジしているかどうかはわかりにくい。しかし彼は明らかに下半身主体のダウンスイングへ改造しようと努力し続けており、そのきっかけとなったのは、全英オープンでのビジェイ・シンとの練習ラウンドだった。ビジェイの一言アドバイスを聞き入れた今田。以後、ずっと「教え」を守り、取り組んでいる。
そう言えば、全米プロでも一緒に練習ラウンドをしたシンと今田を見て、「あの2人は仲良しなんですか?」と日本の記者たちに尋ねられた。そのとおり、仲良しなのだが、まあ、シンという選手は今田に限らず、米ツアーの外国人選手(つまりノンアメリカンの選手)全員の「お兄さん」的存在とも言える。かつてシンが米ツアーに来たころは、右も左もわからず、かと言って、そんなシンに小さなことの1つ1つを教えてくれる外国人選手の先輩もいなかったのだろう。だから、自分が体験した苦労や孤独感を、現代の若手外国人選手には味わわせたくないという思いがあるのだろう。シンは顔だけ見ていると怖い感じがするかもしれないが、実は心優しいヤツなのだ。

(バナナを食べるシン。なんか、ファンキーな感じがしませんか、この写真?)
Photo / 平岡純 Jun Hiraoka
そのシンが、20年以上もお世話になったマネジメント会社のIMGから離れ、新会社と契約することが発表された。その新会社というのは、かつてのIMGのマネージャーが独立してシンとともに創ったマネジメント会社のようだ。
うーん、複雑だなあ。近年、ずっとシンの世話をしてきたIMGのマネージャーは、とってもいい人で、私などは、あのマネージャーから離れるなんて本気だろうかと、どうしても思ってしまうのだ。しかし、時代が変われば、もろもろの事情も変わるのだろう。事情が変われば、人の心も変わるし、考え方も変わる。新しい環境というものは、それを作る前は「大丈夫かな?」「うまくいくかな?」と不安も多いものだが、蓋をあけてみると案外、「案ずるより産むがやすしだった」という結果も得られる。シンの場合も、そういう結果になってくれるのだとしたら、新しいチャレンジもいいことなのかもしれない。
新しいモノやコトが定着するまでには、どうしたって時間がかかる。米ツアーのプレーオフだって、今年が実施3回目になるけれど、毎年毎年、システム上の不都合が指摘され、「失敗だ!」と批判され、改良を繰り返している。今年も昨年の失敗を踏まえ、さらなる改良を行った上で実施しているが、今季5勝でフェデックスカップランク1位という立場でプレーオフに突入したタイガー・ウッズが、たとえプレーオフ4試合のうちの第1戦から第3戦までを連勝したとしても、最終戦が終わるまでタイガーのフェデックスカップチャンプは決まらないというのだから、これは、よーく考えてみると、かなりおかしい。なぜって、そんなタイガーでもチャンプの座が決まらないのだから、その他の選手がチャンプになるのは奇跡以上のことでも起こらない限り不可能に近いということ?????
たぶん、今年の末から来年にかけて、フェデックスカップは再検討を迫られるだろう。それでも米ツアーは改良し続け、きっと来年もプレーオフシステムをやめないと思う。新しいシステムが完全に軌道に乗るまでには長い歳月が必要なのだ。だから、負けるな、米ツアー!こうなったら意地かな?



