2012年02月14日
バレンタインデーの夜
日本でのお仕事を終え、緊急帰国も今日で終わり。たった5日間だったけど、お仕事は楽しかったし、勉強になった。そして、バレンタインデーの夜だというのに、今、私は羽田空港でロサンゼルスに帰る飛行機への搭乗を待っているところだ。なんか、ちょっぴり淋しいけれど、でも心はハッピー。帰ったら、すぐさまノーザントラスト取材が待っている。センチメンタルな気持ちは、羽田空港に置いて帰らなきゃ!
しかし、ペブルビーチの最終日は、すごい展開だった。フィル・ミケルソンの気持ちを一様に保ちながらプレーぶりには圧倒された。心を必要以上に興奮させず、高揚もさせず、しかしショットやパットの攻撃性は発揮する。そんなミケルソンだったからこそ、通算40勝の偉業が達成できたのだろう。
写真/中島望
愛妻エイミーの元気な姿に私もうれしかった。ずっと仲良しのミケルソン夫妻は、バレンタインデーも熱々の夜を迎えるのだろうなあ。

写真/平岡純
しかしながら、タイガーはどんな気分でバレンタインデーを過ごすのか。そう思うと、ちょっぴりかわいそうになる。そう、あちらこちらですでに言ったけれど、タイガーの復活レベルは、彼自身において上がったにすぎず、米ツアーや世界のゴルフ界において相対的に見れば、残念ながら、まだまだだ。スキャンダル後、スイング改造後、左膝の故障後。あのころに比べれば、タイガーも言っている通り、「十分な練習もできるようになった。体も強くなった。ショットも向上した」のだと思う。しかし、あのころから現在に至るまで、タイガーは他のトッププロたちや若手たちより遅れを取っていたのだから、タイガー自身の復活レベルが上がったとしても、他選手たちだって向上し、その差は簡単には埋まらない。だから、タイガーがホップステップジャンプの三段跳びぐらいで急激に急速に復活レベルをアップすることができなければ、以前のように圧倒的に強いタイガーには戻り得ない。そこが、問題なんだと思う。
ただ、もしそれが実現し、今現在、世界をリードするルーク・ドナルドやローリー・マキロイや、諸々のトッププレーヤーたちとタイガーが横並びになったら、そこから先のタイガーは世界83勝、メジャー14勝の強みを発揮して、再び圧倒性を示すことができる……と、私は思っている。
写真/中島望
今は、その途上。じれったいだろうな、タイガー。そんな心境で迎えるバレンタインデーは、彼にとって、ビターな味なんだろうな。
ビターと言えば、初優勝に王手をかけて、しかし勝てなかったチャーリー・ウィーの胸の中にもビターな味が広がっているんだろうなと思う。だが、ウィーはあの日の自分のプレーに「後悔はない」と言っていた。いやいや、そりゃもちろん、出だしの4パットのダブルボギーは残念には違いないけれど、そこから先の踏ん張りと盛り返し、そして2位に踏みとどまることができたという結果を、彼は彼なりに受け入れようとしていた。
写真/中島望
「Winning a golf tournament is never easy.」
そんなウィーの言葉を思い出しながら、とりあえずの日本最後の夜を、今、私は味わっている。(舩越園子)








